三陸・松島 2000.4.14〜4.16 行程はこちら

4/14 (Fr)
21:30、急いで家を出る。少し残業していて、家に着いたのは20:00。全く支度をしていなかったので、忘れ物がないかちょっと心配・・・。
泉岳寺で乗り換えるが、なぜか5分待ち。10分ヘッドで列車が走っている路線で5分待ちとは、もはや「接続を取っている」とは言えないと思うのだが、都交通局はそうは思わないようだ。
新橋で乗り換える。今回は「ウィークエンドフリーきっぷ」を使い、夜行寝台特急「はくつる」を利用する。この場合、「はくつる」の日付が変わる宇都宮までは別に運賃が必要となる。みどりの窓口で切符を買おうとしたが、案内の照明は灯いているのにシャッターは降りている。人をバカにしている。やむを得ず最短区間の切符を買ってホームへ急ぐ。
上野に22:10着。今夜の宿「はくつる」は、既に地平11番ホームに入線していた。やはり上野地平ホームから出発する長距離列車は絵になる。
それにしても疲れた車両だ。塗装は剥げて色あせ、錆が浮いている。こんな見た目の車両が堂々と料金を取るのは、やはり間違っていると思う。同じ状態のタクシーが町中を走っていても、誰も止めないのではないか?
ビール片手でつまみをかじっていると、車掌が回ってきた。宇都宮までの切符を買い求めようとしたが、なぜか「明日の朝に・・・」と言われてしまった。向かい側の寝台の人も怪訝に思ったらしく、声を掛けてきた。八戸にある東北新幹線トンネルの工事現場で働いている方で、お名前はオオツカさん。都内で救急の研修があり、上京したのだという。工事現場の方も大変だ。
何でも、大学の同期の方が私の勤める会社の親会社に勤務されているとかで、そのことで話が弾んだ。世の中は狭い。
大宮を過ぎてしばらくしてからベッドに横になる。解放寝台もいいものだ。

4/15 (Sa)
盛岡で目覚める。全国的に雨と聞いていたが、割合晴れている。が、さすがに少し肌寒い。
向かい側に大館行が停車しており、早朝の列車としては異例の乗車率。「はくつる」からの乗り換え客が大半のようだ。
結構新幹線の工事をやっている。遠くない将来、八戸までは開業できそうだ。在来線が廃止されたりしないことを祈る。
起き出してあたりを見回すが、ガラガラだ。空いている隣の区画で過ごす。
一戸で下車したのは私一人。まだ駅員がいない。
すぐの列車で折り返して奥中山で下車。降りてみたかった駅で、感慨もひとしお。白い駅舎が、まだ茶色いあたりの山々にとけ込んでいる。
折り返して小鳥谷にも下車。典型的な明治期スタイルの駅舎で、駅前がやたら広い。市町村営のバスらしい車が到着し、中学生を降ろして走り去っていく。
4月半ばというのに、結構雪が残っているのは驚きだ。
折り返して小繋。信号所っぽい雰囲気がある駅で、あたりに人家の気配があまりないが、なぜか駅前にコンビニが一軒ある。駅前を通る国道のおかげで商売になっているのだろう。
また折り返す。最近出かけるとこんなことばかりやっている。
金田一温泉で下車。特急が停まるとは思えない静けさだ。列車より、二戸へ向かうバスの方が圧倒的に多い・・・。
盛岡まで戻る。やってきた「はつかり」はグレードアップ車で、座席が新しいものと交換されている。座面と背面が別々に動くのだ。たしか、「フレッシュひたち」の車両もこんな感じの座席だった。
晴れていて暖かくなってきた。岩手山がとてもよく見える。上の方はまだ真っ白だ。
盛岡でレンタカーを借りる。ホンダのロゴだ。マーチじゃなくて良かった。以前借りたとき、「走らねー車!」と強烈に思ったことがあるのだ。
R455をひた走る。氷結した岩洞湖や早坂高原を抜け、2時間で龍泉洞着。洞内の階段が工事中で、途中までしか入れない。残念だが、そのうち家族で来るための原動力になりそうだ。
どうでもいいがカップルばかりだ。男一人はちょっと居心地が悪い上に気を遣う。昔、奥多摩の日原鍾乳洞に彼女(現・妻)と行ったときも、洞内がカップルばかりで、単身のおじさんが居心地悪そうだったのを思い出す。
車を走らせ、一時間で島越へ着く。昼飯を食おうと思ったが店が全くない。駅に食堂があるらしいので行ってみたが休業。人に聞いたところ、国道沿いまで登らないとないとのこと。山道を15分は走らなければならない。あきらめて雑貨屋の弁当とパンで済ます。
ここから出航して北山崎を見て回る遊覧船は、今年は今日が運航開始日。混んでいるのかと思っていたら、14:30発の便は客が私一人! つまり貸切! ラッキー!
・・・と思っていたが、非っ常に寒い。人が少ないのも頷ける。だが、北山崎はすばらしかった。一見の価値はある。断崖絶壁は下から見た方が怖い。
宮古へ向かう。島越を15:30に出て宮古駅前に16:25着。結構飛ばしたが、16:27発の釜石方面行の列車には間に合わなかった。
宮古の街で90分待ちとなった。駅前のモスバーガーで時間をつぶす。こんな所まで来て「モス」かよ!とも思うが、入りやすいのでつい寄ってしまう。
磯鶏あたりまではバスが頻発しているようなので、とりあえず行ってみる。
道路が広くて気持ちいい。しかも結構栄えている。「列車が少ない=田舎」と考えていた私にとってはカルチャーショックだ。
磯鶏は最近建て替えられたような簡素な待合室があるだけの駅だ。余剰地は団地と化している。
程なくやってきた列車に、大勢の高校生とともに乗り込む。どこへ行っても高校生だけは一緒に見える。後で知ったが、バスは次の津軽石付近まで結構走っているようだ。
暗くなってきて釜石着。去年の5月にも来ている。あまり変わった様子は見受けられない。
30分ほど待ち、三陸専用ホームから発車する盛行に乗る。専用ホームから乗り降りするのは初めてだ。
10人程度の旅客で出発、盛まで乗り通したのは私一人。途中の乗車は無かった。経営が心配だ。
盛は古風なモルタルっぽい駅舎が健在だが、街の中心から離れているのか、20時過ぎだからなのか、駅前は静まりかえっている。
構内には岩手開発鉄道のDCが留置されている。見たところ、痛みが激しいようだ。何とかならないか。鉄道考古学的に価値がありそうな形態をしているのだが・・・。
気仙沼行最終列車に乗る。大船渡で少し乗り、陸前高田で私以外全員下車。2両編成の列車に、私と運転士の二人だけだ。
気仙沼には22時ちょうどに到着、駅前のホテルに泊まる。明日は気仙沼線始発で松島を目指す。

4/16 (Su)
寒いが明るい気仙沼の朝、4:45。
気仙沼線経由女川行は4両の長い編成で、快速「南三陸」用の転換クロスシート車が連結されているので乗る。とても寒い。事前に暖めておいて欲しい。
少し居眠りしながら気仙沼線をゆく。7年ぶりだ。あのときは今は亡き急行「八甲田」で東京を発ったのだ。
志津川でしばらく停まるので駅前に出てみた。もう6:30近いがまだ街は寝ている感じで、人気が全くない。駅舎など鍵がかかっており、入ることさえできない。
気仙沼線にあって3番ホームまである当駅は、最大規模と言っても過言ではないだろう。
前谷地で進行方向が変わり、石巻へ。このあたりは去年も通っている。
石巻で仙石線に乗り換える。「あおば通」の方向幕が真新しい。
野蒜の手前で、大規模な線形改良が行われるようで、工事中の橋梁が見える。陸前小野−野蒜間が3/11に改キロされたのは、この改良に伴う改キロを前倒ししたものと思われる。
野蒜で下車、奥松島の景勝地、大高森を目指す。'87にここに来ようと計画したときは(当時は新潟在住・中学生)、たしかバス路線があったはずだが、いつの間にか時刻表からも消えていた。
バス停が見あたらないので、タクシーを使う。運ちゃんに話を聞いてみると、前述のバス路線は「超」赤字路線で、地元が補助を出してまで運営していたらしい。廃止もやむなし。
海岸の道路を飛ばして10分で大高森の登山口着。いろいろ教えてくれた運ちゃんに礼を言い、山登りにかかる。
階段が風化して丸みを帯びている。登りづらい。朝9時前だからなのか、誰もいない。
15分ほどで山頂着。確かにいい景色なのだが、季節はずれなのかいまいちパッとしない。松が緑色に見えないのが良くないようだ。初夏の方が感動があるかも知れない。
山を下り、今来た道を引き返す。このあたりはホタテの養殖が盛んなのだろうか、山と積まれたホタテの貝殻があちこちにある。ちょっと匂う。
20分ほど歩くと、嵯峨渓遊覧船の看板が見えてきた。さっきのタクシー運ちゃんがおすすめと言っていた船だ。行ってみると、3人までは4500円/回、4人以上は1500円/人で、幸いにもすでに乗船予定者が4人いる。迷わずきっぷを買い求める。
レジャーボートに屋根や棚を付けただけのような、簡素な船だが、水面と目線が近いのでかなり迫力がある。後ろのデッキで座って過ごすが、スピードもかなり出ていて気持ちいい。
嵯峨渓に到着。白い岩肌に松が絡みつき、見応えがある。沖に小島が浮かび、カモメが船を追って飛んでくる。天気もいい。これは大当たりだ。
遊覧船乗り場からは汗ばむ陽気の中、歩いて駅へ戻る。
30分ほどで野蒜駅に到着。仙台方面に向かう列車に乗り込む。
陸前大塚・陸前富山と、目の前が入り江の駅が続く。降りてみたい駅だ。高城町では交換待ちでしばらく停まるので、駅前に出てみる。狭い駅前、小さな駅舎・・・ 社線時代の雰囲気が残る。
松島海岸で下車。比較的賑わいのある駅前に出てみる。道路を挟んで海側が公園になっており、遊覧船が発着している。水族館もあるが、放送が喧しく、興ざめする。
あたりをぶらつき、快速であおば通へ。地下区間の駅は、地下鉄かと思うような雰囲気を放っている。
あおば通は、地下街の真下に作ってあるような構造で、地上に出てみたが、少し離れたところに仙台駅が見える。東京駅の京葉線側出口より、駅本屋に近そうだ。
仙台市営地下鉄に乗り換える。きっぷを買って、裏返しで何気なく自動改札に入れたところ、はじかれてしまった。裏返しで入らないとは・・・安上がりに作ってあるのだろうか。
泉中央へ向かう。末端近くは地上や高架を走り、まるでニュータウン鉄道だ。なかなか気持ちいい。
折り返して富沢へ向かう。長町南で結構客が降り、空気を運んで富沢到着。近くに仙台市電保存館という施設があるようで、道順が掲示してある。10:00〜16:00開館、月曜休み。つまり今は開いている。行ってみたいが、18:00までに帰ると妻に約束してあるし、次回のお楽しみとしよう。
野蒜で歩いたからか、体がだるい。体力が無くなったと痛感する瞬間だ。
長町からJRで仙台へ。長町駅は、ホームと駅舎が離れている構造。幹線の旧い駅の雰囲気が漂う。スタンプが埃まみれで使い物にならないのは問題がある。客の目に留まる可能性のある所くらいは、きれいにしておくのが客商売だと思うが。
仙台で職場へのお土産「萩の月」、自宅へのお土産「ずんだ餅」を買い求め、始発の東京行新幹線に乗り込む。ものは試しと、駅弁の「牛たん弁当」を買い求める。なかなか旨い。アツアツになる機構もまんべんなく作動している。だが、これに1000円かけるのなら、時間を作って街で食べたいと感じてしまう。
福島・郡山と大勢乗り込み、窮屈になってきたのでビュフェへ避難する。客室はそれでなくても暑いので、蒸し風呂に感じる状態になっている。疲れてくると強烈な偏頭痛を発症する私としては、できるだけ快適に過ごしたい時間帯なのだ。
東京に定刻、16:20着。お決まりのコース、新橋乗り換えの浅草線で帰宅。


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4/14 (Fr)
西馬込2135-<8/6/7072/北総>-2146泉岳寺2151-<8/6/1923/京急>-2157新橋2201-<10/5/サハ208-52>-2212上野2223-<11:LEはくつる L(EF81xx)E9/5/オハネ25210>-

4/15 (Sa)
-625一戸645-<2522M 6/3/クハ700-1042/紫>-704奥中山733-<565M 2/1/クモハ701-1035/紫>-747小鳥谷759-<562M 2/2/クモハ701-1021/緑>-806小繋814-<567M 2/2/クハ700-1041/紫>-839金田一温泉901-<1006M:LEはつかり6 8/3/モハ485-3038/アコモ>-956盛岡=<レンタカー>=島越港〜<第10陸中丸>〜島越港=<レンタカー>=宮古駅1725=<岩手県北バス>=1735市民会館前?・・磯鶏1800-<1656D 2/2/キハ100-24>-1909釜石1930-<226Dワ 1/1/36-205/三陸>-2016盛2053-<342Dワ 2/1/キハ100-40>-2200気仙沼

4/16 (Su)
気仙沼513-<2930D 4/2/キハ282318/転ク>-740石巻746-<724S 4/3/モハ102-175/旧色>-813野蒜=<タクシー>=大高森・・乗船場〜<第?嵯峨>〜乗船場・・野蒜1045-<1022S 4/3/モハ102-275/新色>-1108松島海岸1132-<3024S Rうみかぜ6 4/4/クモハ103-67/旧色>-1157あおば通・・仙台1215-<4/3/1209/仙台市>-1231泉中央1243-<4/4/1607/仙台市>-1310富沢1320-<4/4/1107/仙台市>-1324長町1336-<247M 4/2/クハ700-102/赤紫>-1342仙台1407-<2134B:LEsやまびこ134 12/8/226-1094>-1620東京1625-<<27G>11/5/モハ204-50>-1628新橋1637-<8/1/5311-1/都営>-1655西馬込