高山・下呂温泉 2000.10.21〜22

急にどこかへ出かけたくなり、妻に話を持ちかけると、意外なほどあっさりOKの返事が返ってきた。10月半ばの土曜日、まだ紅葉には早いが、高山へ出かける。

10/21 (Fr)
子供を寝せるため布団に入っていたら不覚にも寝てしまい、急いで支度を始めたのが22:30。30分で支度して西馬込の自宅を出る。土砂降りの中、前回の旅で買ってあったレインコートをかぶり駅へ急ぐ。
浅草線の車内で荷物を確認していたら、案の定忘れ物があった。こともあろうに、今日会社からの帰りに買っておいたポケット時刻表がリュックサックの中に見あたらない。
新橋・上野で乗り換える。今夜の宿、急行「能登」は、自由席は帰宅するサラリーマンで埋まっているが指定・グリーンはガラガラだ。
今日はアルコールなしで寝る。なんだか身体が疲れていて、眠れそうだ。

10/22 (Sa)
目が覚めると糸魚川、大糸線のディーゼルカーが留置されているのが見える。ウトウトしながら富山には6:01に到着、6:03発の高山線普通列車に乗り換える。
開業当時のままに残る駅舎が続き、50分ほどで猪谷着。神岡鉄道に乗り換える。待っていたのは囲炉裏が設置されている変わったディーゼルカーで、平湯の方へ行くらしい中年の団体が陣取っている。
橋からの眺め比較的最近になって敷設された路線であるためトンネルが多く、しかも一つ一つが長い。沿線人口は少なそうで、それが列車本数(7〜9往復)に表れている。濃硫酸の輸送がこの鉄道の命脈を保っているという話を聞いたことがあるが、どうやら本当のことのようだ。
終点、奥飛騨温泉口では5分で折り返す。喫茶店併設の駅で、コーヒー豆を焙煎するいい香りが漂ってくる。
戻って猪谷で下車。初めて降りる。古い駅舎で、青地に白で書いてある駅看板が飾らなくていい感じ。豪雪地帯らしく、雪囲いのスレートが駅入り口に立ててある。
駅前に大きな橋が架かっているので行ってみる。珍しい地層があると橋のたもとに説明書きがあるのだが、さっぱり見えない。木の葉が茂っているので見えないのかもしれない。
高いところとオカルトが苦手な私としては、あまり橋の上は気持ちがよくないので引き返し、駅前の雑貨店で朝食となるパンを買う。
高山行の普通列車に乗り込む。このあたりは採算性が悪いためか駅舎の建て替えが進んでおらず、うれしい限りだ。富山−高山間の駅で、建て替えられていたのは坂上のみ。

高山に9:30着。レンタカーを借りて、一度行ってみたかった保存街区(古い街並み)へ行く。3ヶ月ぶりの運転で、ハンドル捌きが我ながら怪しい。
えび坂駐車場で車を停め、香りに惹かれて近くの喫茶店に入りコーヒーブレイク。一日一杯、旨いコーヒーを飲める生活が欲しい。・・・自分で淹れればいいのか。街並み
’古い街並み’を歩く。浅草の仲見世のように人が多いが、全体にくすんだ色調でなかなか風情がある。妻籠もこんな感じなのだろうか。行ってみたくなった。

街並み

あたりをぶらつき、朝市を冷やかして車へ戻る。高山から乗ろうと思っている列車の時刻までまだ約3時間あるので、近くの駅へドライブがてら行ってみる。
今回借りたのはトヨタ「ヴィッツ」。メーターがダッシュボード中央に配置されており、慣れれば見やすいのかもしれないが私はちょっと好きになれない。車体が小さいため取り回しは楽で、私のようなヘボドライバーでもそれなりに操れる。
上枝−角川間の各駅を撮影する。R41はよく整備されていて走りやすい。しかも空いている。

13時に高山へ戻り、駅前で昼食にする。観光都市である上に近隣に都市がないためか、なかなかにぎやかな駅前だ。
駅に戻ると下呂行きのバスが発車するところ。反射的に乗り込む。先日子供と日光へ行ったのだが、そのときもバスに飛び乗って大失敗をやらかしている(乗ったバスはJRの駅を全く通らず、しかも渋滞で、子供はトイレに行きたがり、結局、宇都宮−日光東照宮を4時間かかって移動した)。このときの経験が全く生かされておらず、我ながらあきれる。
飛騨一ノ宮のバス停で降り、同名の駅へ歩いて向かう。数分後に列車が来て、結構ギリギリだったことに気づいて肝を冷やす。次の列車は約3時間後だ。
飛騨小坂駅舎 飛騨小坂で13分停車。駅前に出てみる。ログ風に改装してある駅舎で、小ぎれいで気持ちよい。が、高校生の下校時間に当たっており、駅も列車も学生が多く異様な雰囲気。入れ替わり立ち替わり列車のトイレに籠もり、タバコ臭くなって出てくる。隠れて吸うんなら、吸わなきゃいいのに。
それにしても暖かい。向かいに座っている女の人は、思いっきり舟を漕いでいる。私も眠い。
飛騨萩原でも10分以上停車し、15:30にようやく下呂に着く。案内板で場所を確認し、近くの外湯を目指す。

幸の湯外観幸の湯という銭湯めいた名の外湯はとても空いており、気持ちいい。小さいが露天風呂もあり、誰もいないので一人で大の字になって湯を堪能する。極楽、極楽。
30分ほど出たり入ったりしていたら少しのぼせ、ふらつきながら駅へ戻る。途中の土産物屋を物色していたら、「下呂の香り」という危険な名前のお菓子を見つけ、会社の土産に買う。ふと空を見上げると、ウロコ雲がびっしり浮かんでいる。気味が悪いほどだ。

17:03発の特急「(ワイドビュー)ひだ」で名古屋へ向かう。カッコ付きの列車名も変なものだが、時刻表にはこう表記してある。
キハ85系には初めて乗ったが、かなりいい感じだ。ハイデッカー構造に文字通り「ワイドビュー」な巨大窓、車窓に見るものがあるだけにいい組み合わせだ。同じ「大きな窓」で有名な西武特急の場合、車窓に特に見るものはなく、車内もビジネス特急然とした配色で、なんだかちぐはぐな印象が拭えないのを思い出した。
車両は褒めたがなぜか車販が回ってこず、腹を鳴らしながら名古屋着。ここで、JTB時刻表の11月号「駅弁細見」で紹介されていた「びっくりみそかつ」弁当を買う。
18:53発のひかりに乗り、弁当の包みを開く。カツがやけに大きい。切られていないので、付属のナイフとフォークで切って食べる。なかなか旨い。以前から名古屋で駅弁を買うと、なぜか不味いものばかり引いてしまい、できるだけ避けていたのだが、悪いイメージはこれで払拭された。私の選択がまずかっただけなのだ。
食べ終わってお茶を飲みながら、何気なく「ひだ」の特急券を見ていて、金額が変なことに気付いた。高いのだ。新幹線と乗り継ぎ(半額:¥1020)になると思っていたのだが、¥2060になっている。レール&レンタカーきっぷなので、特急料金は10%引きになるが、乗り継ぎになっていない。なぜだ?
気がつくと馬込橋を通過中。ここから歩いて20分で自宅へ帰れるのだが、列車はそんなことお構いなく通過、終点の東京へ向かう。

東京駅の窓口で、さっきの特急券のことを話したところ、しばらくどこかへ電話して待たせたあげく、レール&レンタカーきっぷは乗り継ぎ割引は適用されないきまりになっていると突っぱねられた。
・・・何か、変じゃない? ふつうに買えば¥5630の料金が、¥6100取られている。だったら料金はレール&レンタカーきっぷで買わずにふつうに買っておいた方がいいということだ。私はこの切符を五反田駅の旅行センターで買っているが、「プロ」のくせしてその程度のアドバイスができなかったことになる。
JR東海の駅員に食ってかかるのも迷惑と思い、引き下がったが、なにか納得のいかないものを感じた。こういった特殊な切符の扱いについては、時刻表はかなりいい加減で、どうにでも取れるような微妙な言い回しが結構ある。また、実際に使ってみても現場の知識が乏しく、今回のように質問になかなか答えられないケースがある。
数が多くて大変だとは思うが、もっと勉強してくれ!JRの駅員さん!

自宅には21:30に着いた。子供はすでに熟睡していた。

行程 先頭へ

10/21(Fr)〜22(Sa)
西馬込2312-<<77N>/9016/8/6/公団>-新橋2335-<<33B>/サハ208-58/10/5>-上野2354-<611M〜601M:E能登/モハ488-14/9/8>(長岡)>2/能登>-601富山603-<824D/キハ485511/2/1/東海>-猪谷658-<201Dワ/KM-101/1/1>-729奥飛騨温泉口734-<204Dワ/KM-101/1/1>-804猪谷827-<826D/キハ120351/2/1>-927高山=<トヨタヴイッツ>=高山1330=<濃飛バス>=飛騨一ノ宮1350-<1722D/キハ485511/4/1/東海>-下呂1703-<1036D:LE(ワイドビュー)ひだ16/キハ85-6/7/1>(岐阜)>7>-名古屋1853-<104A:LEsひかり104/326-3505/16/4>-2042東京2101-<2015A/モハ208-76/10/2>-2104新橋2107-<<53SH>RLE/1731/8/1/京急>-2113泉岳寺2113-</5325-1/8/1/都営>-2124西馬込