水郡線・袋田の滝 2001.01.26

01/26 (Fr)
3:45に起きて出かける。外は雨、ついていない。今日は年休を取り、ここしばらくの寒気で氷結したらしい「日本三大名瀑」の一つ、袋田の滝を見に行くのだが。

つかまりにくい時間帯のタクシーを、西馬込の駅前で運良くつかまえ、大森駅へ。窓口は開いていない時間なので、自動券売機で買える中では最も高い、1620円区間の切符を買って改札を通る。水郡線の磐城浅川まではこの切符で行くので、これでも全然金額が足りないのだが。
今日は平日で、「スーパーホリデーパス」が使えない。行きつ戻りつ行こうと思っているので、運賃がけっこうかさみそうだ。
4:28発の始発電車に乗る。始発故か、比較的混んでいる。雨でスリップしながら209系が力走する。
上野で降り、常磐線始発に乗り込む。寒い電車だ。3カ所のドアのうち、2カ所を締め切っても風が入ってくる上に、窓サッシの立て付けが悪いのかすきま風が吹き込んでくる。

愛機リブレットM3で鉄道DBを修正して過ごす。なぜか列車の中で考えているとアイデアが浮かんでくる。
土浦を過ぎ、車内に立ち客が増えてくる。訛りがきつく、年配の人が喋っている言葉が解らないことがある。
7時ちょうどに水戸に着く。通勤通学客でホームが混んでいる。ここで、大森で買った切符を発行替えしてもらい、里白石までの切符を手にする。
改札口にいる駅員の態度があまり良くない。手持ちの切符の乗り越しをVIEWカードでできないかを聞いたのだが、ポケットに手を突っ込んだまま「わかんないなー」とつぶやいてどこかに電話をかけ始めた。JRは接客マニュアルの徹底をそろそろ本気で考える時期だ。みどりの窓口係員の態度が良かったのが救いだった。
ホームの立ち喰いそば屋で当地名物「納豆そば(天ぷら?のような納豆を載せて食べる)」を朝食にしようと思っていたのだが、まだ開いていない。7時だと駅のそば屋は開いているものだと思っていたが、最近は違うのだろうか?
駅売店で鶏めしを買って7:27発の列車に乗り、車内で食べる。駅弁の選択に迷ったら「鶏めし」と決めている。外れたことがないからだ。
中舟生で下車。国道沿いの集落にある、ホーム片面の小さな駅だ。このあたりは和紙の里らしく、近くに資料館がある旨看板が建っている。
一駅戻り、山方宿に下車。こういう乗り方をすると運賃の支払いが面倒くさくてたまらない。
ログハウス風の駅舎で、公民館を併設している。閑散とした周辺をぶらついていると、近くに「淡水魚館」という施設があることを知り、さっそく行ってみる。
淡水魚水族館 平日の9時に客などいるはずもなく、貸し切り状態で館内を見て回る。オオサンショウウオは生まれて初めて目にしたが、驚きの大きさだ。ゆうに1mはある。これを川で見かけたら、卒倒してしまいそうだ。
他にも大小多くの魚がおり、普段見られない川エビの心臓の動きを観察したりしながら過ごす。なかなか楽しい。
山方町では最近温泉が湧いたらしく、気さくな係の方にパンフレットを渡され、行くことを勧められる。今日は足もないのでパスだが、何かの折に来てみてもいいかな。

再び列車に乗り、袋田へ。駅前にバスが停まっているが、「袋田駅」という表示が出ている。まだ発車までは時間がありそうだ。駅員さんにバスの時刻を聞きにいったところ、なんとバスが発車していってしまった。不案内な上に愛想のないバスだ!
居合わせた大学生くらいの男も滝の方へ行くらしく、タクシー相乗りを持ちかけたところOK。わりあい雪が残っている道を、かなり飛ばして走る。
滝近くの土産物屋は閑散としており、声をかけられる。滝へはトンネルを通って行くようになっており、しばらくその中を歩いていく。
途中にある角を曲がると、目の前に突然滝が現れた。だいぶ溶けているが、それでも5割くらいは氷結している。幅も高さも水量もあり、大迫力だ。
袋田の滝 平日、しかも明日から祭りが開催されるようで、出控えなのか客は少ない。心おきなく眺めていられる。
吊り橋を渡って遊歩道を通り、展望台から滝を眺める。少し見下ろすようなアングルで、間近で見るのとはまた違った趣がある。
近くの旅館で温泉に入る。「豊年満作」という宿で、休憩室も使えて¥1,000。係の人に案内されて3Fの浴場へ向かう。誰もいない。去年の夏に日田温泉に入ったときも一人だったが、どうやら今回も貸し切り風呂になりそうだ。
檜風呂と露天風呂があり、まずは檜に浸かる。いい香りに包まれてしばらく目をつむる。極楽ーーー。
露天風呂へ出てみたが、さすがに寒い。湯はちょうど良い温度で気持ちいい。
30分ほどで上がり、フロントでバスの時刻を聞いたところ、次のバスまで1時間以上ある。歩いて40分ほどだと聞き、歩いてみることにする。
昼飯時なので、途中のドライブインで声をかけられる。平日なので客が入っておらず、暇そうだ。駅まで送ってくれるのなら、寄っていってもいいのだが・・・。
途中で郵便局を見つけ、記念にハガキを買って風景印を押してもらう。購入額50円で手間のかかる風景印なんぞを頼んだのに丁寧に礼を言われ、恐縮する。
袋田駅は、改築前の駅舎が使われていないながらも残っており、かつての雰囲気を感じ取ることができる。装飾性豊かな駅舎で、ここから多くの人が滝目指して歩いていったのだと思うと感慨深い。

一駅戻って上小川で下車。小一時間あるので飯にしようと思ったが、近くにそれらしき店がほとんどない。駅前に唯一ある食堂が、地元の社交場と化している様子が外からでも窺われ、入りづらい。
結局パンをココアで流し込む食事を駅でとる。袋田のドライブインなら、もう少しマシな飯が食えたと思うと情けなくなってくる。

西金駅の滝さらに一駅戻って西金。線路敷の採石を積み出す駅で、旅客列車が通る線路は一本だが、貨物用の側線は2〜3本ある。ダンプが来ては採石を下ろして去っていく。
ふと気付くと、ホームから滝が見える。しかも少し凍っている。糸のように見え、ちょっと風流だ。「滝の見える駅」でアピールできそうだが。
この駅もログハウス風。社員配置駅で、待合室がさっきの上小川などに比べると暖かい。

下り列車に乗り込む。常陸大子では2両編成の列車の後ろ一両を切り離すため10分近く停車する。飲み物を買うついでに降りてみる。11年前に一度下車しているはずなのだが、ほとんど記憶にない。木造のなかなか立派な駅舎だ。近くまた訪れてみたい。
磐城石井で下車。名前は立派だが、デザイン優先の寒い駅舎に改築されている。ベンチを鉄の棒で細工して作るなど、福島県という地域の気候を考えると正気の沙汰とは思えないのだが。

戻って矢祭山で下車。ちょっと極彩色なのが気になるが、袋田と同じく観光地の駅として作られた独特の雰囲気がある。駅裏に吊り橋があるので通ってみる。本当は通行量100円を払わなければならないらしいが、誰もいないので素通りする。
矢祭山駅遠景 が、渡った向こうが雪で進めない。がっかりして引き返し、寒いので駅前の土産物屋で串つくねを買って食べる。旨い。
再び下り列車で旅を続ける。東館は木造の駅舎が健在だ。何でさっき、磐城石井でなくここで降りてみなかったのか、悔やまれる判断ミスだ。
磐城塙は9年前交換待ちで降りた記憶があるが、小さな木造駅舎だった駅は改築され、イベントホールじみた駅舎に改築されていた。水郡線は駅舎の建て替えが比較的いいピッチで進んでいるようだ。
折り返しながら乗っているので運賃の払いが煩雑なことはさきに書いたが、車掌に行程を説明するのに一苦労する。キセルに間違えられてはたまらない。

磐城塙を過ぎ、あたりの白さが増してきた。矢祭山で話した土産物屋のおばさんの話では、白河あたりは雪が降り始めているらしい。
磐城浅川で下車。木造駅舎だ。本日最初で最後の当たり駅舎。近くの喫茶店でコーヒーをすすりながら休憩する。雪が多い。というか、これは俄降りの雰囲気ではなく、毎年必ずつもる地域の雰囲気だ。
駅に戻って列車を待っていて、目の前の看板に目が留まった。ここは水郡線で一番標高が高い駅らしい。意外だ。矢祭山あたりが最高地点かとばかり思っていた。
磐城棚倉へ一駅戻る。鉄道ファンならだいたい知っているであろう、白棚線の分岐していた駅だ。ここからこの白棚線跡を走るJRバスで新白河へ抜ける。バスの接続は悪く、目の前で発車していく。20分ほど駅の待合室で待つ。この駅はホームと駅本屋が離れており、見るからにかつて別路線があったような構造をしている。
バスがやってきたので乗り込む。「各駅停車」とアナウンスがあるあたり、鉄道代替らしさがある。
この路線がほかの鉄道代替バスと違うのは、本当に線路跡を走るのだ。一般車通行禁止の道路をバスがひた走る。国道と併走しているがこちらには沿道に店は皆無、真っ暗な中をひた走る。
バスは少し遅れて新白河駅着。駅の周りに高い建物があまりない。まるで新幹線開業時に駅ができたような雰囲気だが、確か開業前からここには駅があったはずだ。
ホームへ上がるとすぐにやまびこ208号が入線してきた。車内販売で「小原庄助弁当」という幕の内を買う。重箱っぽくなっていて、上がおかず、下が山菜ごはんになっている。おかずはとにかく、ご飯の方はなかなか旨かった。また買ってみたくなる駅弁だ。
東京までの2時間は、リブレットM3でまたDBを修正して過ごす。車内は混んでおり、立ち客もいる。週末の夕方、上りの各駅停車便は混むようだ。以前にも小山から乗ってデッキで立ち通しだったことがある。
東京到着直前、車内放送で山手線内回りが止まっている旨が伝えられた。新大久保駅構内で人身事故があったらしい。私は新橋までなので全く影響を受けずに済みそうだ。
お土産に東京駅のコージーコーナーでケーキを買って帰宅。新大久保の事故が、3人が亡くなる大事故であったことを知ったのは翌日の新聞を読んでからだった。


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大森428-<<01C>/モハ209-9/10/3>-452上野510-</サハ411-709/7/4>-700水戸727-</キハ111-112/4/4>-824中舟生835-</キハ111-117/2/1>-839山方宿1011-</キハ111-120/4/2>-1032袋田1236-</キハ110-123/2/1>-1242上小川1357-</キハ111-121/2/1>-1401西金1412-</キハ111-131/2>(常陸大子)>1/1>-1457磐城石井1512-</キハ111-114/3/1>-1522矢祭山1549-</キハ112-115/2/1>-1627磐城浅川1649-</キハ111-120/2/1>-1656磐城棚倉1721=<JRバス白棚線>=1802>1808?新白河1815-</221-2/12/1>-1948東京1957-<<37B>/モハ208-104/10/2>-2000新橋2005-<<67K>E/3516/8/1/京成>-2011泉岳寺2016-<<65N>/9018/8/1/公団>-2027西馬込