北海道・大阪 2001.07.26〜29

なんだか北海道に行きたい。そういえば、道東へは5年くらい行っていない。
JASのバースデー割得で、全国どこでも片道10,000円で行ける。
というわけで、2ヶ月も前から準備して出かける。

2001/07/26(Th)
今日は定時で即退社。急いで帰る。羽田を20:05に発つJASの千歳行き最終便に乗るためだ。
明日は休みを取ってあるので人が手薄になる。後輩に朝から21:00までの通し勤務をお願いしてあるが、遊びに行くのになんだか悪い気がする。
西馬込の自宅にいられたのは正味50分、夕飯と風呂で時間を使い切ってしまう。西馬込から浅草線で泉岳寺へ出て、京急に乗り換え羽田空港へ向かうが、京急蒲田で約10分待ち。10分間隔で列車が出ている空港線で10分待たされるとイライラする。
今日は飛行機で千歳まで行き、札幌から夜行バスで北見へ向かう。JASのバースデー割得+チケットレスで、千歳までなんと9,800円で行ける。列車より遙かに安くて勝負にならないほど速い。
今回の旅では、北海道フリーきっぷのグリーン車用を使用する。道内はJR線グリーン車が乗り放題、B寝台も使える。が、網走行きの夜行は今乗ろうとしている飛行機では間に合わないので、列車より遅く出発する夜行バスで北見まで追いかける。
機内では、後ろの座席が赤ちゃん連れ、泣いている。親の気持ちが痛いほどわかる。
なんだか首と足が疲れて痛い。今日は50%くらいのつもりで勤務したのだが、それでも疲れは出るようだ。

千歳に21:30過ぎに到着、肌寒い。接続するJRの札幌行き快速に乗る。指定席をに座ったが他に誰もおらず、貸しきり状態。車窓は何も見えないのでリブレットを起動する。が! 問題発生!! しかもクリティカル!!!
リブレットでOfficeXPアプリケーションが起動せず。つまり、ExcelもAccessも使用不可。鉄道DBを参照できない。。。 昨日までは起動していたのに・・・ MS! ふざけんな!!!
さらに、持参した道内時刻表が6月末までのダイヤだ。がっかり。何をやっているんだか。
新札幌で下車し、市営地下鉄に乗り換えてバスセンター前下車。長い長い地下通路を歩き、バスセンターの係員に網走行きの夜行バスの乗り場を訊ねたところ、ここではなく少し離れた別のバスターミナルから出るそうだ。なんだか紛らわしい。
その「別の」バスセンターで乗り場を確認後、近くのコンビニでつまみを買ってベンチでビールを飲む。飲むのは当然、サッポロクラシックだ。北海道に来たらこれを飲まないと始まらないのは私だけ?
バスは空いており、後ろの座席に人が来ないのを確認後、いっぱいに座席を倒して眠る。

西馬込1850-1901泉岳寺1905-1918京急蒲田1928-1938羽田空港・・東京国際(羽田)空港2005-2135千歳空港・・新千歳空港2153-2221新札幌2227-2244バスセンター前・・中央バスターミナル2340=


2001/07/28(Fr)
北見駅前のバスターミナルに4:40着、もう明るい。ここから網走までは、前夜22:09に札幌を出た網走行き特急に乗る。網走までのグリーン指定を取りたかったが、窓口は5:30から営業らしい。列車は5:17発・・・。空いてる席に座ろう。
駅のトイレで顔を洗って歯を磨く。寒い。さすがは北海道、うだる暑さの東京から来た身としては、体調を崩さないかちょっと心配だ。
やってきた特急「オホーツク9号」のグリーン車はガラガラ。一人掛け座席を向かいあわせにしてくつろぐ。今日は薄曇りで、よけいに気温が低いのかもしれない。
畝に直線的な道の通し方、景色が北海道めいてくる。網走湖が見え、網走着。少し晴れ間がのぞいている。

網走は以前より駅前通が広い気がする。最近記憶と違う駅が多くなってきた。以前世話になったコインランドリーは健在で、嬉しくなる。
金華行きが「長い」3両編成で出ていく。これから乗る釧路行きは1両のワンマン列車で空席がある。
以前来たときと同じく、立ち喰いそば屋で天そばをすすり腹ごしらえをする。あのときは冬で、湯気をもうもうと上げているそば屋がオアシスに思えたものだ。
鱒浦・藻琴・北浜と、下車当時と変わらないたたずまいで、再訪してみたい駅が続く。オホーツク海は凪いでいる。牛馬がたくさん放牧されている。冬しか来たことがなかったが、こんなに景色が緑色をしているとは・・・。ずいぶん印象が違う。
浜小清水は駅舎が建て替わっていた。駅舎内にあった喫茶店はどうなったのだろう。改札口のコンクリートのタタキに埋め込まれていた貝殻が懐かしい。
止別も当時のままで健在。駅舎内の喫茶店でコーヒーを飲みたい駅がこのあたりには多い。
知床斜里で数分停車する。知床への観光客が大勢降りていく。
今朝から悩んでいたことが一つある。今日の午後はどこへ行こう? 釧路湿原と霧多布を選択肢にしていたのだが、知床への観光客を見て心が決まった。人が多そうな釧路湿原は止めて、霧多布へ行こう。
あたりが霧に包まれてくる。緑で5分停車するので下車してみる。やっぱり肌寒い。何人かがタバコをすうためホームに出ている。運転士に、車内が寒くないか声をかけられる。むしろ暖かくてありがたい。長袖をここで羽織る。
北海道は鉄道が開拓の主役だったのだろうか、このあたりに限らず、駅前にまっすぐ延びた立派な道路を見ると、かつての栄光がよみがえるようだ。
川湯温泉下車。以前、青春18きっぷのパンフレットに写真が載った駅だ。いつか来たいと思っていたが、念願かなって下車。駅舎内の喫茶店はまだ開いていない。川湯の温泉街へ行くバスがあるので、運転士にこの時間でも入れる外湯があるかどうか聞くと、駅近くに日帰り温泉もあるが、川湯の公衆浴場が良いとアドバイスを頂いた。では、その公衆浴場にいくことにしよう。日帰り温泉施設の場所を聞いたり、北海道は寒いだの東京は暑いだのと雑談を交わしながらバスはゆく。
川湯温泉外湯 公衆浴場の近くで停めてもらい、いざ! 古めかしい浴場で、番台のおばさんは掃除中でいない。男湯をのぞいてみたが、誰もいない。蛇口が黒い。硫黄だからか。
おばさんが戻ってきたので200円払い入湯。感動! 古い銭湯のようだ。広い湯船に一人、昼間っから浸かっていると、頬も緩む。
湯船に浸かったり出たりで30分、疲れて上がろうとすると二人目の客が来た。41年前にオート三輪でこけたらしく、大怪我した跡を見せてもらう。
あたりを散策する。林の中の遊歩道を歩く。いつの間にか晴れていて気持ちいい。カブトムシの匂いがする。なつかしい・・・。
自分の手やTシャツが硫黄くさい。まいったな。このキツい臭いは当分取れなそうだ。
駅へ戻るバスは行きと同じ運転手さん。またたわいもない話をしながら駅に到着する。

川湯温泉駅舎
川湯温泉駅舎を眺める。いい雰囲気の駅舎だ。今日は金曜日だからか、観光客と思われる人がほとんどいないので静かだ。
列車まで時間があるので、前述した駅舎内の喫茶店でコーヒーをすする。久々にレギュラーを飲んだ気がする。うまい。
網走行きに乗車。二駅戻って札弦で下車する。簡素な駅舎にまっすぐ延びた駅前通りが不釣合いだ。駅近くの酒屋さんで缶コーヒーを買う。某外国タバコが置いてあり、仕事の関係で少し知っているのでそれっぽく話したのだが、さっぱり通じなかった。にわか仕込みの知識ではダメだ。
折り返して釧路行きに乗る。眠気が急に襲ってきて、睡魔と闘いながら車窓を眺める。
標茶で子供会らしい団体が乗り、車内は1両編成ながら立ち客も出る盛況となる。眠気も吹っ飛ぶ。ここはかつて標津線が分岐していた駅で、その標津線無き今、広い構内がわびしい。

東釧路で根室行きに乗り換え、二つ先の別保で下車。ここから霧多布行きのバスに乗る。運転の荒い運転士で、遅い車を煽っている。車酔いする人が乗ったらビニール袋必須だ、これは。
門静駅前を通る。海岸沿いにやけに古めかしい駅舎が建っているのが見える。降りてみたい駅がまた増えた。
バスが急に対向車線に入った。・・・前の車を追い越した。定期路線バスが一般車輌を追い越すことは、滅多にないだろう。怒って運転しているかのようだ。
霧多布湿原 厚岸を過ぎると、家の前で昆布らしい海藻を干している様子が目につくようになる。小学生くらいの子供も手伝っている。
霧多布湿原を眺めながら温泉施設の前でバスは終点。せっかく目の前にあるので温泉に浸かる。海水の匂いがする温泉だ。
時間があるのであたりを散策しようと施設を出ると、冷房がかかっている。いや、室内が暖房されており、外が寒いのだ。
湿原の見えるところまで行ったり風力発電の風車を眺めたりして過ごし、バスで浜中駅へ。海近い原野をひた走る。前も後ろも向かいも車が通らない。
浜中から釧路行きの列車に乗り、糸魚沢で下車する。ここに下車するのも長年の夢だった。駅前には妙な雑誌の自販機がある以外、何もない。が、駅舎は立派で、ちょっと装飾ばった雰囲気すらある。昔はさぞかしにぎわったのだろう。
折り返して根室行きに乗る。釧路帰りの客で混んでいる。途中の茶内は駅前通が異様にまっすぐ続いている。かなりはなれたところからでも列車の到着がわかりそうだ。
列車内に水彩画が展示してある。根室市の小学生が描いたと説明がある。以前宗谷線では沿線自治体の広報誌が列車内に置かれていた。
牧草地に白や黒の大きな円筒状の袋が置いてある。刈り取った牧草のようだが、自然色の中に点々と鮮やかな色の物体が転がっている様子は異様だ。前衛的な絵画を見ている気分になる。
根室着。非常に空腹なので、駅前を徘徊するが店が見つからない。駅に戻る途中、カニ屋の店先のおじさんに呼び止められ、そこが食堂を兼ねていることを知る。一人で食べられそうな大きさのカニをゆでてもらい、他にいくら丼を頼んで食べる。うまい。
テレビで1993〜1995頃の歌が連続してかかっていて、懐かしくて見入ってしまう。
駅に戻り、暇なのでメールを書いて過ごす。20:30過ぎ、今夜の宿「まりも」が入線してきた。ビールとツマミを持って乗り込む。今夜はB寝台を取ってあるので、横になれる。
昨日が寝不足のせいか、飲んだら急激に眠くなり、浜中あたりで寝台にもぐり込む。

440北見バスターミナル・・北見517-615網走642-816川湯温泉・・川湯駅前818=827郵便局前1001=1010川湯駅前・・川湯温泉1033-1057札弦1117-1313東釧路1314-1321別保・・別保駅前1324=1515霧多布の湯ゆうゆ1620-1645浜中駅前・・浜中1651-1707糸魚沢1727-1843根室2048-


2001/7/28(Sa)
放送で目がさめると5:30、もうすぐ札幌に着く。寝ぼけて寝台上段から落ちそうになる。歯を磨いて到着を待つ。よく寝た。
札幌駅は久しぶり。駅弁を買って然別行きに乗り、次の桑園で下車。札幌競馬場の最寄駅だ。後続の札沼線列車に乗り、駅弁を食べる。「えぞ賞味」という弁当で、巻物のサーモンがなんだかやけに美味い。
札沼線は途中のあいの里公園までは複線化されて20〜30分間隔で列車があるが、先へ進むにつれ列車が減り、末端の浦臼−新十津川は3往復しかなくなる。さらにその先、新十津川−石狩沼田(札沼線とは、札幌(桑園)と石狩沼田を結ぶのでつけられた名称)は昭和47年に廃止になってしまったほどだ。
篠路の駅舎は古い北海道の駅らしく煙突があっていい感じだ。こういった駅も少なくなってしまった。
石狩当別で乗り換える。次の北海道医療大学を過ぎると列車本数が劇的に減少し、車窓から人家が消えて農地が多くなる。しばらく乗客は私一人の貸切状態だったが、途中で乗ってきた。行き止まりローカル線の下り列車で途中の小駅から客が乗るのは珍しい。
石狩月形は篠路と同じく、北海道らしい雰囲気の駅舎が健在だ。ここで対向列車と交換。なんと、タブレット交換を行っている! JR線で見たのは実に久しぶりだ。
読める? 駅名に惹かれて晩生内下車。難読駅だ。こぢんまりとした古い木造駅舎が残る。ホームは島式だが、片線を撤去してかなりの年月が経っているようだ。駅前に大きな倉庫がある。かつては積み出しを行っていたのだろうか。
駅前にバス停があるので行ってみると、「石狩新宮」行きがすぐにある。隣の札比内駅あたりまで行ってくれれば、下車駅を一つ増やせるのだが。
やってきたバスの運転手に聞いたところ、残念ながら晩生内と札比内間の間にある集落で終点だそうだ。残念。列車で一駅戻って札比内で下車。晩生内とよく似た駅舎があるが左右が反対だ。周辺はわりあい人家がある。
また折り返し新十津川行きに乗る。日に3本しかない、終点の新十津川まで行く列車で、函館からの夜行快速が接続しているこの列車は、当然のことながら同好の輩が大勢見受けられる。が、用務客の姿が見えない。いったい何のために運転している列車なのか考えさせられる。などと言っておきながら私も旅行者なのだが。
浦臼で下車。歯医者を併設したきれいな駅舎が建っている。この駅折り返しの列車もあるのだが、交換設備はない。石狩月形から終点の新十津川まで、30Kmが一閉塞だ。
ここからバスを乗り継ぎ、砂川駅へ抜ける。しばらく時間があるので、同じくバスで出かけるらしい老婦人としばし雑談する。学生かと聞かれて、ちょっと嬉しい。
やってきた滝川行きはJRバス。そういえば、今回使っているパスは、長距離便以外はJRバスも自由に乗れるのだった。
手元の時刻表だと、このバスで「花月市街」停留所で乗り換えて砂川駅行きに乗るのだが、このバスの到着予定時刻が9:54、砂川行きの発車時刻も9:54となっている。運転手に乗り換えできることを確認しておく。
無事に乗り換え、石狩川を渡って砂川駅着。かつては2本の支線を分岐していた駅だけに草むした構内は広く、使われなくなった跨線橋が赤茶けて朽ち果てそうになっている。いずれ撤去され、石炭輸送全盛時代の名残は失われていくのだろう。
今日は網走監獄を見て回ったあと女満別空港からの飛行機に乗る予定だ。網走行き特急オホーツクは砂川には停まらないので、旭川まで先発の特急ライラックで向かう。待っている間、富良野行きのリゾート特急が通過する。結構乗っているようだ。
それにしても涼しい。汗をかかない。連日体感40℃の東京の夏が嘘のようだ。
途中の深川発車後、95年に廃止された深名線の跡を探したが、結局解らなかった。6年近く経つと、路線跡はわかりにくくなってしまうのだろうか・・・。ちょっと悲しい。
特急ライラックは60Km余りを41分で走り、旭川に到着。平均速度が90Km/h近い。なかなか速い。
網走行き特急の到着まで20分ほどあるので、kioskでお土産を買う。店員さんのお薦めの、見慣れないお菓子を買い、宅急便で自宅へ送っておく。
昼も近いので、ホームで駅弁を買う。見れば1470円もする駅弁がある。なんだかとても旨そうなので、これを買う。1000円を超える駅弁は滅多に買わないので、緊張する。・・・小市民だ。
ふと気づいたのだが、旭川駅は、なぜか案内板にハングルが併記してある。韓国からの旅行者が多いのだろうか。

網走行き特急オホーツク3号に乗り込む。グリーン車を取ってある。2+1列のシート配置で、私の席は2列シート側だが、隣はいないので気が楽だ。
発車してすぐ、女性の乗務員が検札にやってきた。切符を見せると、おしぼりを渡されてドリンクサービスは何にするか聞かれた。当然、コーヒー。ミルクと砂糖はいりません。久々にグリーン車らしいグリーン車に乗った。近くに座っている人は、この乗務員に駅弁を持ってきてもらっていた。
旭川で買った「海鮮てんこめし」はうまかった。カニが酢締めされておらずちゃんとカニの味で、ニシンがニシンの味だった。酢締めされたカニは好きではないので、好感が持てる。値段を考えると妥当かな?
車販のリーフレットに、駅弁の積み込みについて書いてある。何の弁当をどこで積むかが書いてあるものは初めて見た。実に親切だ。この列車は上川までに乗務員に申し出ておけば、遠軽で名物の「かにめし」が買えるらしい。いいサービスだ。
コーヒーがなくなったので、今度はお金を出して買うのだろうと思って車販に声をかけたら、車販の女性が走ってどこかへ行ってしまい、しばらくして紙カップに入ったコーヒーを持ってきた。むろん、タダ。・・・ドリンクサービスはおかわり自由なのだろうか?
今年の6月いっぱいで廃止された天幕駅跡を通過する。あたりは原生林で、朽ち果てそうな駅舎が見える。やがて取り壊され、そこに駅があったことすら解らなくなるのだろうか。一度来てみたかったが、もう遅い。
中越信号場で、上り特急と交換待ちで4分停まる。ここも天幕と同じく、今年の6月いっぱいで廃止された駅なのだが、交換設備が残っていた関係か信号場として残された。やはり原生林の中に頑丈そうな駅舎が残る。
北見峠のサミット、上越信号場を通過する。ここは昭和50年に駅から信号場に格下げされて現在まで残っている。やはりあたりは原生林。
奥白滝信号場を通過。ここも中越同様の理由で信号場となった駅だ。古い駅舎が残る。
上白滝駅を通過する。廃止・格下げ駅が続いた旧天幕〜奥白滝に比べ、このあたりは農場や民家も見え、いくらか開けている印象がある。
峠越えは「本当に特急?」と思うような鈍足だったが、白滝をすぎたら下り坂なのか速い!
丸瀬布は町営の公園内でSLを走らせている。これはいわゆる遊園地の「豆汽車」とは異なるようで、道内時刻表にも掲載されている。一度行って見たいところだ。
遠軽で進行方向が変わる。座席を転回させておく。威風堂々とした駅舎は健在だ。2分ほど停まるので、ホームに出て「かにめし」の積み込み風景を眺める。
生田原を出てしばらくすると常紋トンネルを通過する。思わず身を固くする。・・なぜだか解らない方は以下の書籍を読むことをお勧めする。キーワードは「昭和初期」・「タコ部屋」・「犯罪者」だ。

【常紋トンネル】小池 喜孝著・朝日新聞社(朝日文庫)¥540?

金華駅は古い駅舎が健在。近くに慰霊塔が建っているらしく、駅にこんな看板が掲げてある。
「常紋トンネル殉難者追悼碑 昭和55年11月建立 駅より約300m」
東相内は、隣に相内駅があるので相内の東にある駅という名前だろうが、構内がとても広く木造の古い大きな駅舎もある。ただの「東」駅ではなさそうだ。

北見を過ぎ、さらに1時間ほどで網走着。昨日の朝に来たばかりだ。すぐに出るバスで博物館網走監獄を目指す。
途中の道で、中央分離帯に乗り上げてエンコしているMR−2を見かける。すでにパトカーも来ている。緩やかな右カーブの途中で、どうやったらああなるのか? かなりみっともない。
煉瓦門 内部
煉瓦積みの正門をくぐり、洋館風の建物を見て回る。なんだか古い駅を巡っているようでとっても楽しい。
作業時の宿舎として使われた建物の中に、動く人形がおいてある。佐渡の金山を思い出す。動きや声がちょっとシュールで、会社の後輩が好きそうなので写真を撮っておく。
小一時間で見て回り、土産屋を物色する。かなり面白かった。久々に博物館で心から「楽しかった」と感じた。
バスで網走駅へ戻り、小腹が減ったのでまた駅の立ち喰いそばをすする。女満別空港行きバスは18時過ぎ、1時間ある。これなら美幌行きバスで女満別へ行き、列車で呼人へ戻って呼人駅前から空港行きバスに乗れそうだ。さっそく美幌行きバスに乗り込む。網走湖畔を走る。太陽が写り込んでまぶしい。
畝と防風林を眺めながら走り、女満別に着く。駅舎は洋館風のもので、図書館と喫茶店を併設している。それはいいのだが、駅前広場が車輌乗り入れ禁止になっており、やたら高校生くらいのカップルが多い。経験上、夕方時にこういった人々が多いのは祭りか花火大会なのだが、駅裏の網走湖畔が騒がしいところを見ると花火大会のようだ。駅の跨線橋にも大勢陣取っている。
列車で呼人まで戻る。網走へ行くらしい中学生くらいのカップルが隣で話している。妙に距離をおいた話し方をしている。なんだか懐かしいね、はは。
呼人駅前バス停で空港行きバスの時刻を確認しようとしたら、時刻の記載がない。なんだかいい加減だ。
つい1時間ほど前に通った道を再度通り、牛が草を食んでいるのを横目に見ながら空港着。空港ロビーで夕日を見ながらサッポロクラシックを飲む。つまみは牡蠣の薫製。旨い。
エアバスA300はほぼ満席で羽田へ向け離陸。思いのほか大きな機材で運行している。南紀白浜と空港の規模は変わらなそうだが、あちらはマクドネルダグラスMD-87だった。
たった一杯飲んだだけなのに回ってきた。上空では回りが早いというのは本当のようだ。
帰りもJASのバースデー割得なのだが、またバースデーカードがもらえ、今度は人形(飛行機を停止位置まで誘導する「しゃもじ」持った人の形)をもらえた。子供のお土産にしよう・・・やっぱり気に入ったので自分のものにしよう。
羽田に21:00着。腹が減ったのでカレースタンドで遅い夕食を取り、21:45発の関西行き最終に乗る。機内のビジョンで北海道の特集をやっている。数時間前までいたのだと思うと、感慨深い。
関空に23:00過ぎに到着。きれいで天井が高く開放感があるが、人が少ないのでがらんどうな感じ。照明が消えているところが多く、薄暗い。
三宮行きのリムジンバスに乗る。今日の宿は三宮の温泉付きカプセルホテルだ。羽田で待ち時間中にインターネットで調べて予約しておいた。
居眠りしながら三宮着。ホテルの場所を電話で聞いたが要領を得ず、地番を頼りに20分かかってたどり着く。疲れて眠い体にはきつい。やけに焼肉屋が多く、いい匂いがする。
ホウ酸泉と重曹泉に浸かり、カプセルに横たわったのは1:30。

550札幌611-614桑園621-701石狩当別704-753晩生内816-823札比内851-905浦臼・・浦臼駅927=941花月市街941=953砂川駅・・砂川1019-1100旭川1120-1509網走・・網走駅前1525=1539博物館網走監獄1651=1705網走駅前1720=1747女満別十字路・・女満別1758-1806呼人・・呼人駅前=女満別空港1915-2100東京国際(羽田)空港2145-2300関西国際空港2320=


2001/07/29(Su)
神戸駅4:20に起きる。顔を洗い、ヒゲを剃って出発。関西版パスネットこと「スルッとKANSAI」カードの阪神バージョン「ラクヤンカード」3000円分を買い、阪神三宮4:56発の下り電車で高速神戸下車、JR神戸まで歩いて新長田へ行く。妙なコースを取っているのは訳がある。新長田から神戸市営地下鉄海岸線の5:35発始発に乗りたい。JRだけで三宮から新長田まで行けるのだが、三宮始発は5:35で全然間に合わず、神戸なら5:12発の神戸始発列車があるのだ。これなら余裕、新長田に5:17着。海岸線乗り場へ行こうとしたが、なんとまだ開いていない。しばらく駅前広場でぼーっとして過ごす。寝不足で居眠りしそうだ。
5:25過ぎにシャッターが開き、改札へ向かう。開業して一月足らずだが自動改札の調子が悪いらしく起動しない。有人改札を通る。
海岸線の車輌は都営大江戸線と仙台市営地下鉄を足して2で割ったような車輌。システムは大江戸線と大差ないはずだから、似てくるのかもしれない。
さすがに客は少なく、乗った4号車は私一人しか客がいない。ほとんど増減なく三宮・花時計前に着き、ポートライナーの三宮駅まで歩く。まだ朝6時なのだが、ポートライナーはほぼ座席が埋まる盛況。なぜだ?
が、南公園までにほとんど降りてしまいがらがらになる。ポートアイランドの外周を一回りしてポートターミナルで下車してみる。駅から神戸港が一望できる。駅の真下に客船ターミナルがあるが、時刻が時刻なだけに閑散としている。
三宮に戻り、2時間ぶりの阪神電車に乗る。特急を甲子園で降り、急行で武庫川へ。ホームから長い通路を通り、武庫川線へ乗り換える。
ワンマンの短い列車で5分、終点の武庫川団地前に着く。名前の通り団地が形成されている。団地住民の足がこの路線なら、武庫川駅はずいぶん歩かされるのでちょっと不便だ。
尼崎で西大阪線に乗り換えるが、10分ほど時間がある。駅のそば屋で朝食。おにぎり1ヶ+きつねで350円、良心的な値段だ。挨拶もきちんとしていて気持ちがいい。味もいい。久々にいい立ち食いそば屋に入った。
西大阪線に乗る。列車は淀川を渡る。川幅がさすがに広い。「淀川」と聞くと、「サヨナラ」のまゆげおじさん(故・淀川長治さん)と宮崎県を流れる川(大淀川)を思い出してしまい、なぜか大阪の淀川が浮かんでこない。
西九条ではJRに乗り換える。確かここは勤務する会社の大阪部門がある場所だ。すぐ隣の野田で下車、地下鉄千日前線に乗り換える。地下鉄の駅はJR高架真下だが駅名は「玉川」で、隣の終点は「野田阪神」、阪神野田駅の真下にある。名前付けのルールがよく解らない。
今日は結構地下鉄を使うので、一日乗車券を買って乗る。野田阪神へ一駅行き、折り返す。地下鉄なのになぜか踏切の音がして少々驚く。
なんばで四つ橋線に乗り換える。同じ名前の駅なのに非常に遠く、疲れていらいらしてきたころにようやくホームに着いた。東京・大手町の丸ノ内線−東西線なども遠いので、大阪に限ったことではないが。
住之江公園着。地下から長い登りエスカレーターを上り、高架上にあるニュートラムのホームに出る。裏は競艇場のようだが、駅の窓にフィルムが張ってあって様子がよくわからない。
ニュートラムは混雑して到着、これから乗る折り返し列車は70%位の乗車率で発車した。貯木場などを眺めながらゆく。ゆりかもめを思い出す。
途中に客船ターミナルがあり、「さんふらわあ」などが停泊している。行き先に見慣れない地名、「坂手」ってどこだろう? 淡路島だろうか?
団地をかすめて大阪港トランスポートシステム(以下OTS)の区間に入ると、景色が殺伐、もとい近未来的になり、ゆりかもめの景色に似てくる。サーカス「サルティンバンコ」の旗がたなびいている。近々ここで開催されるのだろうか。
地下に潜りコスモスクエアに到着。ニュートラムはここで終点、地下鉄中央線に乗り換える。私が持っている地下鉄一日乗車券ではOTSに乗ることはできないので、ここで精算しておく。
出発してすぐ、あたりが明るくなって驚く。地上区間を走っているのだ。何度か写真で見たことのある、外国の無骨で有名な橋によく似た橋が架かっているのが見える。優雅ではないけれど力強くて港には似合っている気がする。しばらくすると大阪ドームが見える。うねうねして気味が悪いデザインだ。・・・などと言ったら大阪の方にしかられそうだ。
阿波座の手前で川を渡り、すぐ地下へ潜る。トンネル入り口には遮蔽扉がみえる。見るからに「川の下を通したくない」といった敷き方だ。
森ノ宮で長堀鶴見緑地線に乗り換える。大江戸線や今朝乗った神戸市営海岸線と同じく、ここもリニアモーターカーだ。シールド工法で掘ったトンネルのようで、断面が丸い。ホーム上に地上までの吹き抜けがある。光が差し込み気持ちいい。息が詰まりそうな地下駅にあって、こういった工夫一つでずいぶん感じが違う。
終点門真南まで行く。駅前に出て見たが、「なみはやドーム」というドーム型施設があるだけでほかにこれといって目に付くものがない。すぐに折り返し、反対側の終点、大正へ向かう。
大正でまた折り返す。一度改札を出てすぐに入ろうとしたが、数分前に改札機を通したばかりの一日乗車券が見あたらない。バッグの中、財布を捜してみたが見つからない。仕方なくラクヤンカードで改札を通る。一日乗車券紛失のショックで、今通したカードを普段は入れないズボンの後ろポケットに入れようとしてしまった。そのとき、その後ろポケットに違和感が・・・。あった。一日乗車券。なんということだ・・・。
西長堀で千日前線に乗り換える。長堀鶴見緑地線の小さなトンネル断面に慣れると、千日前線の駅は天井が高く感じる。
桜川下車。さっきの一件を話し、カードの方は差引額なしで通してもらった。関東と違い、関西のカードは乗車時は1円も引き落とさないのだ。
地上に出て、近くにある南海電鉄の汐見橋駅を目指す。駅前の案内図は方角が実際と合っておらず、まるで解らない。近くを歩く老婦人を捕まえ、教えてもらった。こういう案内板なら、なくても良い!
閑散とした汐見橋駅には、和歌山周辺の南海電鉄の路線・観光案内図が掲示されている。が、20年以上も昔に廃止された和歌山市内線電車までもが載っている。ここ汐見橋は、今でこそ20分間隔でワンマンの区間電車が行き来するだけの駅に成り下がったが、現在も高野線の正式な起点駅で、おそらくかつてはここから高野山・和歌山方面へ列車が発車していったのだろう。
芦原橋−木津川で煉瓦塀が連なる。その木津川駅は改札が駅舎の真ん中にある妙な形態の駅舎が残る。西天下茶屋は駅舎のそのデザインに釘付け! 浜寺公園などの駅舎に通ずるものがある。訪れたい駅舎が増えた。
岸里玉出で南海本線に乗り換える。本線のホームは遠く、見れば和歌山方面の普通列車が入ってきている。ダッシュでギリギリ間に合った。おそらく間に合ったのは私一人だろう。
阪堺電車 二駅先の住吉大社で下車する。駅名にもなった住吉大社はすぐ近くで、高架下の町並みは参道らしさを醸し出しているように思える。
ここで阪堺電軌の電車に乗り換える。南海の高架下にいつの建物か判然としない古い建物があり、奥に進んでいくと阪堺電車乗り場になっている。
乗り場手前にカレーとスパゲティの店がある。ちょうど昼飯時なので、カルボナーラとミニカレーのセットを頼む。カレーは旨かったが、カルボナーラは門前仲町にある店の方が数段旨い。
阪堺電車に乗る。最後の未乗路面電車だ。途中の電停で行列を成すほどの大混雑、積み残しが出る。何かまつりでもあるのだろうか?
天王寺で地下鉄へ乗り換え、御堂筋線で梅田へ行く。大阪市営地下鉄7路線中、5路線を今日だけで乗っている。
梅田では阪急に乗り換えて甲陽線へ向かう。乗った列車は各駅停車。これで良かったのか不安でいると、夙川へはこの列車が先着であることが放送され、一安心。その夙川へ着いたはいいが、10分待ち。暑いがホームで待つのもばからしいので駅前に少し出てみる。駅脇に川が流れる。それほど大きな町ではないようだ。
甲陽線は本線上りホームに直角にぶつかる形で接続している。車輌の点検の際はどこから出し入れしているのかと不思議に思ったが、ホームの先に甲陽園方から神戸方へ急カーブで延びていく線路がある。神戸−甲陽園は無理矢理になら直通ができそうだ。
甲陽線に乗る。単線だ。関西大手私鉄で単線は珍しい気がする。
終点甲陽園で下車。名前の由来を知らないのだが、近くに公園らしいものがあるのでそれだろうか。開業時からのものか、古い駅舎が健在だ。しばらくあたりをぶらついて折り返し、今きた道を塚本まで戻る。
特急から各停まで同じ色の電車、しかもつやつやときれいに手入れされた外装の阪急電車がうらやましい。私の親が住む埼玉県南西部をなわばりとする鉄道は、かつては赤とクリームのツートン、その後黄色、現在は黄色・白・銀かグレーに青帯と3色あり、有料特急まで合わせると4色という統一性のなさだ。
塚口で伊丹線に乗り換える。夙川と違い、梅田方面と伊丹方面は直通可能な形になっている。少し宝塚線の石橋に似た雰囲気だ。
裏口と思われる南口の駅舎がいい雰囲気なので、列車を一本遅らせ、下車してみる。木造の駅舎が健在で、駅前を比較的まっすぐ道が延びている。遠くからでもこれが駅だと解りそうだ。駅前は少しゴチャッとした感じの商店街で、活気がある。
伊丹線の列車に乗り込み、伊丹へ向かう。稲野・新伊丹も古い駅舎が健在のようだ。東急に近い雰囲気を阪急には感じる。
伊丹到着。立派な駅ビルにこれまた立派なバスロータリーがある。市営バスの空港行きを待つ。
暑い。昨日まで汗をかかないところにいただけに、何もしなくても汗が滴ってくるこの暑さは耐え難い。
JR伊丹駅を経由し、高速とモノレールが見えてきて空港着。羽田行きの便はボーイング777、これに乗るのは久しぶりだ。
空港構内の551蓬莱で豚まんをお土産として買う。長女も妻も私も大好きで、大阪へ行った帰りは必ず買って帰っている。
離陸してすぐに居眠りしてしまい、気がついたのは飲み物のサービスが行き渡った後だった。
羽田からはいつものルート、京急+都営で帰宅。自宅で豚まんを頬張る。

020三宮駅前・・(宿)・・阪神三宮456-502高速神戸・・神戸512-517新長田535-549三宮・花時計前・・三宮605-625ポートターミナル640-646三宮654-713甲子園718-720武庫川724-730武庫川団地前733-739武庫川744-748尼崎759-809西九条814-816野田・・玉川824-826野田阪神834-842なんば845-858住之江公園904-922コスモスクエア928-948森ノ宮955-1010門真南1022-1051大正1058-1101西長掘1106-1107桜川・・汐見橋1123-1132岸里玉出1133-1136住吉大社・・住吉公園1214-1231天王寺駅前・・天王寺1238-1253梅田1301-1327夙川1340-1345甲陽園1401-1406夙川1409-1422塚口1437-1443伊丹・・伊丹駅前1500=1524大阪国際空港・・大阪国際(伊丹)空港1600-1705東京国際(羽田)空港・・羽田空港1733-1758泉岳寺1800-1811西馬込