夏休み 2001.08.27〜09.01

妻がインターネットの宿情報を見ていて、伊豆今井浜に安い宿を見つけた。明日(8/27)は空きがある。
そんなわけで、急に伊豆行きが決まった。

2001/08/27(Mo)
自宅最寄りの馬込中学校前バス停から川崎行きバスに乗る。智美(6ヶ月)はもちろん、歩美(4歳)も海は初めてだ。歩美は去年、今年8月一杯で廃業が決まっている「ワイルドブルーヨコハマ」に行ったので、波は経験済みだが、迫り来る波を見るだけで大泣きしていたから、はたして本物の波に太刀打ちできるかどうか、見物だ。

川崎でちょうど伊東行きが来た。途中で熱海行きの快速に抜かれるようだが、急いでもいないのでこれに乗る。グリーン車の回数券を持っているので、歩美が好きな2階建て車の2階に乗る。
どうもこの2階建てというのは、いくらか景色がいいのと引き替えに、天井低い・階段ある・網棚ない、と、居住性に難がある。物珍しさで乗るにはいいと思うが、慣れると1階建て車両の方が快適に過ごせる。
通路を挟んだ隣の座席に、家族連れが乗っている。歩美よりいくらか大きそうな女の子が声をかけてきた。小学生だそうな。子供同士はすぐに仲良くなり、髪飾りをつけたりして遊んでいる。
お母さんと思われる人がえらい美人で、モデルかと思うような雰囲気を醸し出している。その向かいに座るお父さんと思しき人は、やくみつるに似ている感じ。この家族連れは熱海で下車していった。
終点の伊東で下車する。ちょうど昼食時なので、駅近くのとんかつ屋さんに入る。店先のサンプルを見て、歩美が決めて注文したものは、イクラ丼・・・。キラキラしているからだそうだ。
いざやってきたイクラ丼を目の前にして、嬉しそうな歩美。しかし、口に運ぶやいなや表情が豹変、実に嫌そうな顔をしている。自分で選んだんだから、食べろい!
結局、ごはんのみを、私の頼んだとんかつをおかずに食べ、哀れ嫌われてしまったイクラは私の腹に収まった。結局、「食べてみたかった」のではなく、「見てみたかった」のが正解らしい。
後続の列車に乗る。てっきり「リゾート21」(伊豆急行の看板列車。海側はとても広い窓で、座席も外向き。ロイヤルボックスと呼ばれる特別車両を連結)だと思っていたのに、やってきたのは元国鉄113系(東海道線のツートンカラー車と同じ)。歩美は1月に私とここへ来たときにリゾート21のロイヤルボックスに乗ったので、それを期待していたらしく、あまりの落差に泣き出した。
けっこう混んでおり、トイレに近い一角に座る。が、トイレだと思ったら喫煙コーナーで、ひっきりなしにスモーカーが出入りしている。ちょっと理解に苦しむ。自動販売機でも設置した方が、はるかにサービスだと思うのだが。伊豆急行は単線で、行き違いで2〜3分停車することが度々あるので、あえて喫煙コーナーを設置した意図が解らない。

浜辺の0歳児 今井浜海岸駅に15時近くに到着。歩いて5分の今井浜海岸へ行く。8月も終わりが近づき、比較的空いている。
岩陰に荷物を置き、持ってきたエプロンを羽織って妻はビキニ(! <智美におっぱいあげるのが楽)に、私は海パン&Tシャツに履き替える。歩美は素っ裸になって水着に着替えている。
先に妻と歩美が遊びに行ったので、智美とぼーっと過ごす。パラソルを持っていないので、生後6ヶ月の智美を強い日差しから守ることができるのは、タオルと私の身体しかない。覆い被さるように智美をだっこする。
しばらくして妻が帰ってきた。正直、水着姿の自分の妻を見たのはまだ2回目だ。
今度は私が歩美と遊ぶ。歩美は波がまだ怖く、強めの波が来ると大急ぎで浜へ戻ってくる。イライラしてきたので抱き上げて少し深め(といっても大人のヒザくらい)のところまで連れて行く。半狂乱で逃げたがるがお構いなしで進み、波が来たところで下ろす。半泣きでしがみつくが、腰くらいまでしか水が来ない。全然こわくないじゃーーん。
そんなことを繰り返し、妻と2〜3度入れ替わり、1.5時間くらい遊んで撤収する。あまり長く陽に当たると、子供はもちろん私の腕や足が日焼けでやばいことになる。5年前に新潟・鯨波で、対策をまったく取らず炎天下5〜6時間泳いでいた結果、看護婦の妻にして「入院もの」と言わしめたやけど、もとい日焼けを経験しているのだ。

宿は高台にあり、子連れで上るのはかなりしんどい。宿に電話し、駅前まで迎えに来てもらう。程なくして現れた1BOXで宿へ。細い道をクネクネ上り、まだ登るの?というところで宿に着く。わりあいきれいな建物だ。
案内された部屋にはやけに幅の狭いベッドが3つくっついて並んでいる。これは、今晩は雑魚寝に近そうだ。
歩美を連れて、別棟の風呂へ行く。温泉を引き込んである。ありがたい。我々以外は誰もおらず、少々騒いでも誰にも迷惑がかからない。歩美は湯が熱くてろくに湯船に入れず、もっぱら洗い場で遊んでいる。
海は残念ながら見えないが、周りは緑の山、山、山。目に良さそうだ。
部屋へ戻り、お茶をすすっていると、夕食の時間だと館内放送が流れたのでダイニングへ向かう。客は他に10人ほど、カップルと家族連れと高校生ぐらいの男の小団体と判明する。
食事は食べきれないほど運ばれてきた。オプションで取った刺身は、アジがメイン、旨い! 久々に旨いアジのたたきを食べた。
満腹で戻り、普段は全く見ないテレビを見てぼーっと過ごす。歩美は眠そうだ。
一人でもう一度風呂へ。今度も誰もいない。真っ暗で景色は見えないが、星が見え、そして虫の音以外は湯の音しかしない。
湯船に浸かっていると、騒がしいのが入ってきた。さきの高校生が4人、大声を立てながら洗い場でシャワーをかけ合っている。残念だが、静寂を楽しむ時間は終わってしまったようなので、風呂場を出る。
服を着ていると、中で彼らが話しているのがまる聞こえだ。
「今の人、背中に毛が生えてなかったか?」「生えてた。」
・・・よけいなお世話だーーー。前述の火傷以来、なんだか背中のごく一部(肩周辺)が妙に毛深くなり、妻に「ザ・フライ」と言われているほどなのだ。
胸くそ悪いが、下手なことを言って刺されたら嫌なので、何もしないで戻る。子供二人は熟睡、妻はテレビを見ていた。


2001/08/28(Tu)
妻と4歳児翌朝目が覚めたら7時、ちょうどいい時間に目が覚めたのは久しぶりだ。朝食を摂り、9時過ぎに宿を後にする。今井浜海岸近くの温泉施設「サンシップ今井浜」までまた車で送ってもらう。ありがたや・・・。
温泉プールがあるので、そこで歩美と戯れる。昨日と同じく、定期的に妻と交代でだ。
プールは他に人がおらず、事実上の貸し切り状態。1.5時間で引き上げ、風呂に入るが、背中が痛い。今日はTシャツを着て入らなかったので、やばいかもしれない。

駅まで戻る。歩美がスーパービュー踊り子に乗りたいらしいので、河津まで一駅戻る。今井浜海岸に特急は停まらない。
先頭の車両が2階建てで1階がプレイルームになっていることは分かっているので、河津の駅で指名買い。が、さすがに満席。隣の車両を頼んだら、まだ空席があったので発券してもらう。しかし、出てきた席は喫煙車・・・。「喫煙じゃあ・・・」ということを窓口の初老の係員に話すと、「隣の車両がいいって言ったから・・・」とつれない返事。というか、あなたもプロならそこまで考えてこそプロでしょ! 喫煙/禁煙は聞くのが基本でしょ! 私も予備知識なしで頼んだのが悪いのだが、なんだか「感じ悪ーーー」と思ってしまう。
結局キャンセルしたのだが、その数分間でしっかりキャンセル料(30%=約1200円)を取られた。何か、サギだ・・・。
121やってきた熱海行き普通列車は旧型、伊豆急オリジナル車だ。実はこの電車に乗りたくてしょうがなかったのだが、これまで機会に恵まれなかった。古めかしいボックスシートに半透明のデッキ仕切ドア、古きよき時代の伊豆急がそこにはある。

熱海で駅前に出て、マックで軽く昼食。熱海でも東京でも、マックは一緒だ。当たり前か。
熱海から普通列車のグリーン車に乗る。2階建て車両の両端には1階建ての部分があるが、車掌室のある部分ではここが狭くなっており、8人分の座席しかない。ここに陣取る。個室っぽくてなかなか良い。妻がおっぱいあげるのにもってこい!
川崎まではあっという間、ここからバスで帰る。


列車にのりたーい!!! 子供みたいな願望を持つ父親が、4歳の娘を連れて身延線へ出かける。

2001/09/01(Sa)
朝7:30に自宅を出発、身延線の未下車駅を目指す。今日のお供は約1名、歩美だ。出発してすぐ、念のためクギを刺しておく。
「今日はおやつは買わないよ。リュックの中身が全てだからね。」
殊勝にうんうんうなずいている。今日はどこまで我慢できるかな?

五反田できっぷを買う。東京都区内発東京都区内行き、経由:中央線、身延線、東海道線のきっぷだ。普通の乗車券、しかも5,000円以上するものを買ったのは久しぶりだ。
甲府駅 新宿から甲府まで特急かいじを使おうと思っているので、指定を取ろうと思ったら、禁煙車は満席。仕方なく喫煙車を買う。子供の分も、甲府までの乗車券と一緒に買っておく。混んだ列車で「ひざだっこ」は苦行だ。
新宿で朝食の弁当とおにぎりを買って、いざ出発。後で知ったのだが、かいじに指定席は禁煙車・喫煙車が各1両しかないようだ。取れないはずだ。それなら禁煙自由席にすれば良かった。
中央線に明るい時間に乗るのは久しぶりだ。勝沼で見える甲府盆地の景色が私は大好きだ。
漏れた・・・甲府に10:16着、身延線ホームへ行く。停車中の電車と歩美をカメラに納めておく。
まずは小井川下車。ホーム片面の小さな駅だ。すぐ折り返して常永でも下車。小一時間あるので、駅近くをぶらついた後、近くの喫茶店へ行こうと思う。
歩いていると、歩美が「おしっこ」と言い出した。仕方がないので急いで喫茶店へと向かう。が、許容量に難のある4歳児、苦渋の表情を浮かべながら喫茶店に着き、トイレへダッシュしてズボンを下ろしたところでGAME OVER・・・哀れパンツとズボンはぐしょ濡れだ。
実に残念ながら、パンツの替えは持ってきているが、ズボンの替えは無い。パンツだけ換え、ズボンは水気を紙で吸い取ってそのままはいてもらう。
サンドイッチに私はミルクティ、子供はオレンジジュースを頼む。が、やってきたオレンジジュースは「フレッシュオレンジジュース」、歩美は苦手な飲み物だ。はじめは飲んでいたが、やがて水ばかり飲んでオレンジジュースを私にくれると言い出した。仕方なく飲む。ちょっと青臭く、歩美が苦手なのが分かる気がする。
気を取り直して列車に乗り、落居下車、折り返して芦川でも下車。ここでも歩美はトイレに行きたくなったが、近くに公衆トイレがあって助かった。
市川大門で下車。町の入浴施設が併設されているようだが、入れる時間は9:00〜16:45、12:00〜13:00は不可、町外の人は不可と、なんだかやる気を感じない。

やってきた特急で身延へ向かう。大きなテーブルがある席に座り、歩美にザウルスを預ける。嬉しそうに絵を描いている。
ザウルス 身延で下車。隣の塩之沢まで、一人ならば歩くのだが、今日はタクシーで移動する。
富士川沿いに静かに佇む塩之沢駅は、ホームの目の前に桜の木が数本植えてあり、春はなかなか良さそうだ。
戻って甲斐常葉下車。念のため申し上げておくが、今回は普通の片道切符なので、戻るときはちゃんと往復分を別に払っている。これを怠ると不正乗車です。
甲斐常葉駅近くの雑貨店でパンと飲み物を買う。歩美は自分だけの飲み物がほしいらしく、
「お父さんは自分のを買いな、歩美は自分で買うから、心配しないでいいよ」
・・・1本しか買わないよ。
1本しか買わないのがよほど不服だったらしく、涙を滲ませながらついてくる。こういうとき、買ってあげるものなのか、頑としてはねつけるものなのか・・・。
普通列車で居眠りしながら富士へ。新幹線の新富士まで、またタクシーで向かう。そろそろ軍資金が乏しくなり、財布の中には5000円札が1枚しかない。ちなみに私の持っているVIEWカードでは新幹線には乗れない。
新富士駅前の銀行CDで金を下ろし、無事こだま号に乗り込む。ガラガラだ。
多摩川を渡ってしばらくして自宅の近所をかすめ、そこから10分ほどで東京着。コージーコーナーでシュークリームとケーキを買って帰る。今日はあまりお菓子を食べず、ねだらず、いい子だったね、歩美。