歩美と常磐線 2001.09.08

妻の妹が遊びに来る。私がいたのでは話もしづらいだろうし、子供(特に歩美・4歳)がいたのではうるさくて疲れそうだ。といわけで、またも歩美&私で出かける。最近このパターンが定着してきた。

2001/09/08(Sa)
朝5:15に起きてシャワーを浴び、歩美を起こして6:00出発。今日は常磐線を通って仙台まで行き、寄り道しながら新幹線で帰ってくる予定だ。
新橋乗り換えで上野着。7:00発の特急「スーパーひたち3号」に乗ろうとホームへ行くと、既に長蛇の列。昨日、会社の帰りにこの列車の空き具合を調べたとき、禁煙席が満席だったので、自由席で行こうと思っていたのだが、これは座れなそうだ。
窓口で喫煙席を買おうとすると、なんと満席。グリーン席しか空いていない・・・。甘かった。上野発の特急一番列車なのだ。混んで当たり前だ。
仕方なく、デッキで立って過ごす。子供は席がないのが非常に不満なようで、朝飯のおにぎりをポソポソほおばりながら文句を言っている。・・・済みませんでした・・・。

この列車の終点であるいわきまで乗るのだが、所要時間は約2時間。立ち通しは辛い。だが、土浦では乗るだけでほとんど降りず、友部では数人のゴルファーが降りただけ。水戸でやっとまとまった人数が下車し、座ることができた。列車で一時間立っていたのは久しぶりだ。
今日は以前も使った「土日きっぷ」を使用している。その名の通り、土日のJR東日本南半分が乗り放題、しかも特急・新幹線指定席が使える。
常磐線は、土浦までは改築されて橋上駅舎になったところが多いが、その先はまだまだ木造の駅舎が残っている。いわきまでの各駅は、これまでに全て下車したことがあるが、駅舎を写真に納めていないところが多い。いずれ来なければと思う。
いわきで下車する。上野を出て211.6kmを135分、表定速度は94.0Km/h!!! 非常に速い。最高速度130Km/hの凄さがわかる。夜ノ森駅
すぐに原ノ町方面の列車が接続している。車輌は701系、いわゆる通勤電車の東北版で、2両の短い編成ながら、すさまじい加速とモーター音で疾走する。ちらっと速度計を見てみると、100Km/hを指している。
夜ノ森で下車する。駅名に惹かれ、一度下車してみたかった駅だ。緑色をした屋根のこぢんまりとした木造駅舎がある。近くに桜で有名な公園があるはずで、来年の春に行ってみようと考えている。
戻って広野下車。閑散とした駅前で、駅にみどりの窓口も設置されていないが、ここは特急停車駅。やってきた「スーパーひたち7号」に乗る。自由席はやはり混んでいて座れない。今度はデッキではなく荷物置き場で過ごす。歩美はまた不満げだ。
相馬で下車する。駅舎が社寺風で、相馬は城下町だったか?と一瞬考える。
腹が減ってきたので、立ち食いそばをすすろうとしたが、歩美はまだ立ち食いは無理そうだ。どうするか聞いたら、おにぎり(朝買って手をつけていないおにぎりが1個ある)がいいとのこと。それなら、とおにぎりを持たせ、私は天ぷらそばをすすろうとしたそのとき、
「歩美もラーメンが食べたい。」※「ラーメン」とは麺類全般を指す・らしい。
残念ながらとても熱く、食べられないことを告げたのだが、涙ぐんでいる。途方に暮れていると、店のおばさんがどんぶりを貸してくれた上につゆの素を水で割って入れてくれた。私の天ぷらそばを分けてやり、おいしそうに食べている。お礼を言い、後続の列車に乗る。こんなことは初めてだ。
新地で下車する。農村地帯にある駅で、駅前に古い倉庫がある他は目立った建物もなく、水田が続いている。歩美に「この緑色の草は何か?」と聞いたら、ちゃんと「ごはん」と返ってきた。稲穂を見るたび教えてきた甲斐があった。
駅前の用水路が干上がっており、フナと思しき10cm位の魚がミイラ化してたくさん死んでいる。何だが薄気味悪い。
後続の列車で浜吉田下車、折り返して山下でも下車し、仙台へ向かう。

仙台行きの列車の、乗った車輌の窓配置が座席と合っていない。この車輌はクハ455の600番台、455系交直流急行電車の制御車で、急行列車の廃止で余剰となったグリーン車(サロ455他)に運転台を取り付けたという変わり種。同じような仲間は九州の475系にも見られる。14年前にも乗っているが、当時はグリーン車の座席がそのまま使われており、乗り得な気がしたものだ。今は普通のボックスシートに改造されている。
・・・ディープな話になりました。戻ります。
仙台ですぐ接続の仙山線電車に乗り、北仙台で下車。4月に来たとき、その古めかしい駅舎に惹かれ、近いうちに来ると心に決めていた駅だ。駅裏にマンションがそびえ、駅前にミスタードーナツ、なのに駅舎は昭和初期の面影そのままだ。
折り返して仙台へ戻り、お土産の「萩の月」を送って新幹線ホームへ。二階建て新幹線「Max」の新型で福島へ向かう。堂々たる二階建て16両編成で、一列車あたりの定員が世界最大、たしかギネスブックに載っていたような・・・。確信がない。
この新型Maxは、見た目はともかくシートはわりあい好感が持てる。指定席車に限った話だが、背もたれと座面が別々に動かせるシートを採用しているのだ。同様のものが常磐線「フレッシュひたち」用の車輌などに使用されているが、これがなかなか座り心地がよい。私は、九州特急「つばめ」のグリーン車が国内では最高のシートだと思っているが(これは首から上の部分が手前へリクライニングでき、居眠りしたとき実に具合がよい)、次点はこのシートだと思う。

福島で下車、福島交通の電車に乗り次の曽根田で下車する。ここは去年の秋に来たときに駅舎を見て「いつか来よう」と思っていた駅で、天井の高い、古い駅舎が健在だ。
福島へ戻って、時間があるのでどの駅へ寄り道しようかと思案していると、ここまではほぼおとなしく付いてきた歩美が、「バスに乗りたい」そうな。駅前でバスの時刻を調べ、奥羽線の笹木野駅あたりを通るバスを見つけて乗る。歩美は一番前の左側座席、前が一番良く見える席に座って満足げだ。
20分ほどで笹木野駅近くのバス停で降り、駅まで歩く。犬に吠えられるが、びびっているのは歩美よりむしろ私の方だ。どうも犬は苦手だ。
笹木野から一駅進み、庭坂で福島へ折り返す。実に古めかしい駅舎が残っている。ここは山形新幹線が通る路線なのだが、ローカル輸送にはそんなことは関係ないのだろう。
福島から新幹線で東京まで2時間、いつもの通り東京駅のコージーコーナーでシュークリームでも買って帰ろうか、歩美?