大井川鉄道・飯田線 2001.12.29〜12.30

しばらく列車で遠出していない。思い起こすと、10月に長女・歩美と「SLばんえつ物語」に乗りに行って以来、ご無沙汰だ。
ほとんど禁断症状で、マズイと自分でも思うのだが、やめる理由も見あたらないので妻に許しを乞い、12/29〜30の一泊二日で出かけてよい約束を取り付ける。
未乗の南海高野線に行きたかったが、寒そうなのと子供連れで楽しいところでは無いだろうとの判断で却下。
次に大井川鉄道、ここはトロッコ列車もあり、まあ行けそうだ。さて、翌日はどうするか。一度、琵琶湖に浮かぶ小島の竹生島へ行ってみたかったので、すっかりその気になっていた。が、12/30は船が運休! ・・・久々に飯田線でも通ってみることにする。
2001年最後の週末、歩美と家を後にする。

12/29(Sa)
6:06発の浅草線電車で出発。もっと遅く出発しても、東京から乗る予定の7:10発ひかり303号には間に合うのだが、運がよければ6:37発のこだまに間に合うかもしれないので、ちょっと急ぐ。
新橋で乗った山手線は6:30発、あと7分・・・。東京駅ではコンコースを走る。新橋でも走ったので、歩美は早くもバテバテで、途中でしゃがみ込みそうになるのを手を引いて急ぐ。ホームへの階段を駆け上がる途中、発車ベルが聞こえる! 急げ、歩美!!!
ホームへ二人がたどり着いたその時、無情にもこだま号のドアは閉まっており、数秒後、静かに走り出した。わずかな客を乗せて。
あと5秒あれば・・・。ちょっと歩美に当たってしまった自分が情けない。
予定通り7:10のひかりに乗ろうかとホームをみると、自由席のドア位置には長蛇の列・・・。そう、今日は年に何日かある「民族大移動」の日なのだ。
昨日のインターネット空席案内(http://www.jr.cyberstation.ne.jp/)では空席ありだったので、まだ空いてるだろうと軽い気持ちでみどりの窓口に並ぶ。こちらも列が長くなっており、イライラする。
窓口脇に、発車時刻が近い新幹線の空席状況が表示されているが、みれば7:10発は普通車の名古屋までで「×」印が!
もはや完全に投げやりモードで、グリーン席でも使うかと考えてみたりする。
だめモトで指定席の有無を聞いてみると、意外にもあっさり取れた。なぜ? 名古屋までは満席で静岡までは空席あり、そんなことがそうそうあるものなのか? 取れたので、まあいいか。
2列側の窓側席だが、1席しか取っていないので、歩美は席がない。今日の混み具合だと、当然ながら隣には客が来る。失敗した。
案の定、横4人が家族連れで、急いでよけたら親父さんが埋まっていない別の席へ移ってくれた。静岡までこのままだと良いが・・・。
歩美を通路側に座らせておいたら、通路を挟んだ隣の席に座っている、先ほどの家族連れのお母さんと話している。席を譲ってもらった上、歩美のお守りまで・・・。本当にありがとうございます。

富士山が見えるかと身構えていたのだが、残念ながら曇っていて全く見えない。
結局、新横浜では席が埋まらず、静岡まで座っていられた。親父さんに丁重に礼を言って降りる。いやー、助かったー。
静岡からは浜松方面の列車に乗り換える。途中の島田止まりの列車があるのでこれに乗り、途中の用宗で下車する。113系電車だが、最後尾の車輌のライトが原型白熱灯で驚く。まだ残っていたのか・・・。
後続の列車に乗り、金谷下車。大井川鉄道の列車が停車している。「大井川鉄道の」と言っても、各社の中古車輌が塗色を変えずに活躍しており、こんどの列車は見た目は京阪特急だ。京阪特急?
全線フリーのきっぷを4200円で買い、こんどの列車は急行なので急行券も買う。硬券入場券があるのでこれも買っておく。
9:13、「京阪特急」改め「大井川電車急行」は出発。ガラガラのままワンマンの急行列車は進む。お茶畑がさすがに多い。晴れていて車内は暖かく、眠くなってきた。
笹間渡で下車する。古い駅舎が健在。近くに温泉施設があるらしく、駅から遊歩道が整備されている。駅前に民家があり、歩美が住人に声をかけまくっている。別にかまわないが、鬱陶しがられてないか時に心配になる。ひとしきり話したら駅前で石ころを拾って遊んでいる。何でもポケットに入れて持ち帰ることがあるので、石を持っていかないよう釘を刺しておく。
旧南海の電車で戻って抜里も下車。ここも古い駅舎が健在で、お茶畑の中に古い駅舎と南海塗色の電車が実によく映える。
また旧南海の電車で進み、崎平下車。かなり痛んでいる木造駅舎で、入っていいものか不安になる。
さっきの京阪電車が千頭で折り返してきた。これに乗り、今度は田野口で下車。同じ無人の古い駅舎だが、さっきの崎平とはうって変わり、きれいに整備されている。駅待合室の窓ガラスがきれいに磨かれ、外から見ると空気感がある。
今度は新顔、西武鉄道の古い車両が来た。これに乗り青部下車。ここは崎平に輪をかけて痛んでおり、駅内部に農機具のようなものが置いてあるので入ってはいけないものかと思ってしまう。扉も立て付けが悪い。最近入った人がいないかのような雰囲気だ。青部駅
歩美がそろそろ空腹らしく、お菓子を要求している。持ってきてあるお菓子を渡す。朝からあまりほしがらなかったのだが、やっぱりいつもの調子になってきた。
三度旧南海電車で、下泉下車。ここは駅員が配置されており、駅舎内にSLの写真が飾ってある。駅周辺の雰囲気に他とさほど違いが感じられないが、なぜここは駅員がいるのだろう?
やってきた列車は旧近鉄特急、車内は元のままなので、得した気分になる。南海・近鉄・京阪に西武の吊り掛けや果ては蒸気機関車までもがすれ違うこの路線は、ある意味「夢の鉄路」と言えそうだ。
千頭でお昼ご飯にする。シーズンオフの年末、しかも子連れだとさすがに選択肢は少ない。駅上にあるカレーショップに入るが、入ってから失敗に気づいた。歩美は辛いものがあまり食べられない。
出てきたビーフカレーをつらそうに食べている。コップの水が見る見る減ってゆく。仕方がないので、私が頼んだハンバーグカレーのハンバーグを食べさせる。後でパンでも買ってあげよう。

ここから先は、トロッコ列車だ。異様に小さい列車がホームに停車している。3両の客車をディーゼル機関車が行きは押し上げ、帰りは引っ張る。乗客はほとんどなく、一番前の座席に陣取る。足下が狭く、30センチ位しかない。
千頭駅にSL列車が入ってきた。今回は乗らなかったが、大井川鉄道はSL列車が運転されている。古めかしい客車をつないでいる。
がらがらだったトロッコ列車に、SL列車からの乗り換え客が乗り込んで、ほぼ満席の盛況で発車。実にゆっくり走る。運転席の速度計を見てみたが、25Kmを超えない。
途中の駅が、ことごとく外国の駅のような低いホームでいい雰囲気だ。今はオフなのでわずかな列車しかなく、下車することは叶わないが、いずれ訪れてみたい。
土本駅を過ぎたところで、集落の墓地らしきところを見かける。「土本家之墓」・・・土本って、地名ではなく、集落の住民の苗字?
奥泉で約半数の客が下車し、ガラガラになる。寸又峡温泉への下車駅だが、この路線はここからが面白いのに・・・。アプト式機関車
このトロッコ列車、正確には大井川鉄道井川線は、井川ダム建設時の資材運搬軌道を大井川鉄道が借り入れて旅客化ののち運営している。当然、地形は険しく、途中いくつかのダムを車窓から眺められる。
そのうちの一つ、長島ダムの建設に伴い、いくつかの集落とともに井川線の一部が水没することになった。1980年代末のことだ。
さて、路線はどうなったか?
答えは、「水没しない位置まで急勾配で上る線路を造った」。この急勾配区間を、「アプト」式と呼ばれるレール間に敷いたギザギザのレールに専用機関車のギヤを引っかけて上る方式で上ってゆく。かつて信越線の横川−軽井沢間で採用されていたが、昭和37年に普通の方式に切り替わってからは国内から姿を消していた。
そのアプト式区間の始点、アプトいちしろ駅に着く。ここの手前から接阻峡温泉の手前までが、ダム建設で新線に付け替えられた区間だ。4分ほど停車するので外へ出てみる。駅裏は大井川の渓谷で、夏はさぞ涼しげだろう。
連結風景を見に行く。いかつい面構えの電気機関車がそろそろと接近、連結。これからの一区間は、この機関車にすべてをゆだねることになる。
発車してすぐ、妙にきつい勾配を上ってゆく。しかし、スピードは落ちるどころかむしろグイグイ加速する感じで、アプト式の威力を思い知る。この勾配が、日本最急勾配の90/1000(90パーミル)、後ろの車両がかなり下の方に見える。
長島ダムが見えてくると、その名もズバリ長島ダム駅に到着。ここまでがんばったアプト式機関車を切り離す。はるか下に、旧線のトンネル跡が見える。
奥大井湖上駅に停車する。長島ダムのダム湖に張りだした尾根に造られた駅で、今日はレストハウスも休業中。このレストハウス以外には行くところがなさそうで、隣の接阻峡温泉までの遊歩道が鉄道の橋に併設されているくらいのようだ。
橋の上その接阻峡温泉でさらに半分以上の客が下車、残るは10人に満たない客だけとなった。山がいっそう険しくなり、人家はおろか道もほとんど見かけなくなる。列車の速度も20Kmを超えない。
陽が傾き始めた14:58、終点の井川着。谷間の駅で、非常に寒い。せっかくここまで来たのだから、井川ダムにでも行ってみるか。
同じ車両に乗り合わせた男の人が声をかけてきた。東京から京都への帰省中、ここへ寄ったのだそうだ。どうやら同好の方のようだ。
井川ダムは非常に大きく、人が全くいないため怖くなるほど静かだ。資料館は年末で休業、静岡からのバスは路面凍結のため運休で、ただでさえあまり人が来なそうな時期にさらに来なくなる条件が加わっている。ダムを眺める
ダム上から下を眺める。背中に変な痺れがくる。怖い。歩美は最初から腰が引けており、下を覗こうともしない。
天気はいいのだが何しろ寒く、長い時間ぶらついていると風邪を引きそうなので戻る。次の上りは15:35、これが最終列車だ。
やはり数人の客を乗せて、すでに夕方の風情漂う井川を出る。列車には暖房が入っているが、石油ストーブのようなものを床下に置いて足下にあるダクトで暖気が回るようにしてあるので、なんだか車内が煤くさい。 トロッコ車内
途中駅からの乗車が結構あるのに驚く。かつて土本の駅周辺には道路がつながっておらず、列車が生命線だったと何かで読んだことがある。
長島ダム駅でまた機関車を連結、今度は下りのブレーキ役だ。アプトいちしろでやはり切り離して列車は進む。ふと思ったが、このアプト式機関車はどうやってここに運び込んだのだろうか? この一区間だけが電化されているので、自走してはここまで来ることができない。ディーゼル機関車に牽いてきてもらうにも、大柄なこの機関車が千頭−アプトいちしろを通れるようには思えない。部品を運んで組み立てた?

すっかり陽も暮れた17:25、千頭着。すぐ接続の金谷行きが、薄暗いホームで待っている。今日は何度かお世話になっている、旧南海の電車だ。
駅々が裸電球で照らされ、いい雰囲気を醸し出している。降りてみたい衝動に駆られるが、降りても寒い駅で1時間待つことを考え、自制する。歩美は眠ってしまい、静かな1時間を過ごす。
金谷に18:37着。掛川からの新幹線自由席特急券を買っておく。この先、掛川で新幹線への乗り換え時間が3分ほどしかないのだ。
東海道線の列車で10分ほど乗り掛川に着く。到着前の乗り換え案内放送を注意深く聞いていたところ、乗りたい新幹線がアナウンスに含まれていた。ということは、間に合うということだ。
ドアが開くと同時に走り、新幹線ホームに上がったところまだ2分ほどあり、余裕。今朝の一件があるので、ちょっと神経質になっていたようだ。
数少なくなった「流し目新幹線」100系こだまの30分を過ごす。あと数年でこの車両も姿を消すと思うと感慨深い。実家に1986.3改正の時刻表があるが、この100系新幹線が表紙を飾り、新時代の新幹線といった扱いを受けていたのを思い出す。
豊橋では駅裏のラーメン屋へ向かう。数年前の夏、大雨でここで足止めを食らった時に入り、ラーメンがけっこう旨かったのだ。
私は前回と同じネギラーメン、歩美はチャーハン、ついでに餃子も頼む。出てきたラーメンは期待を裏切らなかったが、チャーハンは・・・残念だ。餃子もイマイチ。念のため繰り返すが、ラーメンは旨いのだ。
今日の宿は豊川に取ってある。最寄りは名鉄諏訪町駅だ。名鉄乗り場へ向かい、やってきた急行に乗る。パノラマカーだ。当然、先端の座席に乗る。歩美もご機嫌だ。国府で下車し、次の豊川線電車を調べると、なんと20分待ち。いや、なかなかローカルな列車間隔だ。
駅前へ出てぶらぶらしたりして過ごし、やってきた列車で諏訪町下車、徒歩5分ほどのホテルへ入る。開業して間もないホテルで、きれいだ。もう遅い、さっさと寝るぞ、歩美!

12/30(Su)
朝起きると雨。。。昨日は晴れ上がって、星がきれいに見えていたのに。パノラマカー
朝食を摂りに一階のレストランへ行く。作業員風の団体さんがおり、予約していないのに水も飯も出てこないとかでテーブルをドンドン叩いている。やってきたウェイターにもクレームを付けている。
どうでも良いことだが、クレームを付けるにもスマートさが欲しい。周りの客は事情を知らないので、あれではただの「柄の悪い客」位にしか思われないだろう。
歩美があまり食べない。パンをひとかじりとウインナーしか手を付けていない。言っても食べないので、私が食べる。あとでお腹空いても、知らないからな。
食事中に雨が上がり、一安心。雨では駅まで歩くのがしんどい。

ちょっと急いだら、予定より一本早い8:00発の列車に間に合った。またパノラマカーで、これまた当然先頭に乗る。次の稲荷口駅で下車、後続の列車で豊川稲荷へ。これもパノラマカーで、今度は一番後ろに乗る。こんなにパノラマカーが連続すると、うれしくてまた来たくなってしまう。
が、豊川稲荷の駅員の態度はそんな気持ちを吹っ飛ばすのに十分なものだった。精算をしようとする客に対し、実に迷惑そうな目と言動で応対し、当然だが受け取った金額の復唱もない。その後入場券を買おうとしたところ、「入場券ん?」と一言言ったのみで他は声を発さず応対。実に頭にくる。こういう応対を名鉄本社は認めているのか? 路線廃止より先にやるべきことがある気がするが。
建て替えられてすっかり様相の変わった豊川駅から、JRの旅は再開。やってきた列車でまずは東新町を目指す。途中の野田城で列車交換のため4分停車、駅前に出てみる。痛んでいるが古い駅舎が健在。が、窓ガラスがなく吹きさらしで寒い。夜間イタズラされるため窓ガラスのない駅舎が最近増えている。
東新町で降りる。以前から降りたかった駅だ。駅員さんに切符を見せると、
「これはこれは、ご苦労様です」
気さくでいい。好きでやってるのでご苦労でも何でもないのだが。
新城まで戻って特急に乗るのだが、それは告げずに新城までの往復乗車券を買ったところ、「戻って特急で行きなさるか?」と聞かれる。行動パターンが読まれている。脱帽。雪の飯田
新城も古い駅舎が健在だ。天井が高く開放感がある。温かい飲み物とお菓子を少し買って、特急「伊那路1号」に乗る。みぞれ混じりでとても寒い。
指定席を取ってあるがガラガラで、空いている席に座り、前の席を転向させてボックス状態で過ごす。快適、快適。景色もよく見える。

中部天竜には「佐久間レールパーク」という鉄道車両の展示施設があり、ちらっと見える。なんだか少し前より増えたようだ。やはり一度来たい施設だ。
水窪では雪がちらつき始めた。帰省と思われる人が2〜3人降りていく。駅前には迎えだろうか、手を振る人がいる。
気がついたら歩美は寝てしまっていた。腹が減らないのだろうか。
温田を過ぎたらまた晴れ間がのぞいている。日差しがまぶしい。天竜川の水量がとても多く感じられる。青緑色をしてなかなかきれいだ。
天竜峡駅を過ぎ、天竜川治水事業で線路の位置を変更した区間に入る。この区間にあった川路駅は真新しいホームと駅舎になり、寒々とした雰囲気だった木造駅舎はどこにあったのか場所すらわからない。
特急は終点の飯田に到着、吹雪いている。すぐ接続の普通列車に乗り換える。しばらく食事を手配できる見込みがないので、駅売店で名物のソースエビフライ弁当を買い、普通列車車内で歩美と食べる。甘辛いソースが旨い。
列車は淡々と進み、上片桐を過ぎたあたりで吹雪が止んで曇り空となった。豊川は雨、新城でみぞれ混じり、温田あたりでは晴れて暑いくらい、飯田は吹雪で上片桐は曇りだ。さすが飯田線、長いだけあって気象も変化に富んでいる。
車内販売が回ってきた。飯田線は列車によっては普通列車にも車内販売があるのは知っていたが、まさかこの列車に乗っているとは・・・。弁当を売っている。これで買えば良かった。
歩美の機嫌が悪い。特急二時間+普通二時間はさすがにムリがあったか。なだめすかしながら行くしかない。

怖い・・・飯田線の終点一駅手前、宮木で下車。辰野の市街地に含まれる小さな駅。ここから伊那新町まで歩き、近くの温泉設備に行こうと思っていたが、地図を持ってくるのを忘れ場所が全くわからない。仕方なく温泉はあきらめ、適当に線路づたいを歩美と雪合戦しながら行く。楽しそうに大はしゃぎしながら雪玉を投げてくる。いや、投げるというより「押し当てる」方が正しい。歩美の手の中にあるうちに私の背中に当たっている。投げる!
あんまりはしゃいでいるものだから、途中で側溝にハマりかけ大泣きする。足が雪まみれだ。怖かったらしいが、見ている方は大笑い。
伊那新町から伊那松島へ戻る。ここはかつて「ゲタ電のねぐら」(ゲタ電と呼ばれ親しまれた旧型国電が晩年所属したため、こう呼ばれた)として有名になったところで、変電所や車両区のようなものが併設され古くからの拠点駅であることがわかる。

下りに乗り、終点の岡谷であずさに乗り換える。ここで念のため歩美の分の切符もとる。やってきたあずさは新型車両で、明るくて気持ちがよい。乗り心地も良い。ただ、座席のリクライニング機構の説明が不親切かな、わかりにくい。さらに言えば、テーブルは肘掛け下から出てくる方がありがたい。
歩美にカップ入りのコーラを車内販売で買ってやったところ、ものの3分たたないうちにカップごと落とし、運悪く列車がブレーキ中だったために前3列の足下に流れて行ってしまった。ありったけのティッシュを持って前方の客の足下を拭いて回る。・・・非常に辛い。
しばらくは景色を楽しむ余裕もなかったが、甲府手前で富士山がきれいに見えるのに気づいた。夕方のせいか絶妙な色合い。
すっかり陽も暮れて、八王子を出たところで歩美が気持ち悪いと言い出した。酔ったか? 昔は何に乗ってもOKだったが、最近船がダメになり、今度は列車か。。。

新宿に18:07着。小田急百貨店の上で夕飯にする。歩美はまたも半分しか食べず、大盛りを頼んだ私が残りを食べる。・・・2人前だ。
小田急の特急で小田原へ。車掌がザウルスアイクルーズを使っている。ザウルスが業務用途で使われているところを久々に見た。
歩美は列車内で大騒ぎ、さっきの気持ち悪いのはどこ行った?! 私の逆鱗に触れまくってそのたびしょげている。
鴨宮で無事に妻の両親に歩美を引き渡し、東京行きに乗る。グリーン車はふたりしか客がいない。平塚で乗ってきた外人さんが興味深そうに私のザウルスを見ている。外人さんにザウルスをのぞき込まれ、それがきっかけでお話しすることが最近多い。

新型あずさ