犬吠埼 2002.04.27

銚子電鉄に行きたくなった。成田線や総武線もしばらく乗っていない。幸い妻の許しが出たので、ゴールデンウィークの初日、長女の歩美と出かける。

2002/04/27
3:45にセットしてあった目覚ましで起きる。外はまだ真っ暗だ。歩美を起こして支度させ、4:00に自宅を出る。
大森駅から京浜東北線の始発に乗ろうと考えているのだが、子供がいるとスクーターでは行けない。以前上信電鉄へ行ったときは、寒かったのと雨が降っていたのでタクシーを使った。今日は降っていないし特別寒くもないので自転車で行こうと思う。歩美を後ろの座席に乗せていざ、出発。5歳児のくせして23Kgもあるので、なかなかしんどい。
4:20頃大森に到着、自転車を停めて駅改札口へ向かう。今日使うきっぷは「ホリデーパス」。東京近郊のJR線が一日乗り放題で2040円。残念ながら銚子までは使えないのだが、昨日のうちに計算して、このきっぷを使った方が安くあがることを確認してある。

東京で下車し、総武快速線ホームへ向かう。始発の成田空港行き快速がすでに入線しており、グリーン車に乗り込む。妻が早起きして握ったおにぎりを二人で頬張る。まだ5時だがこれが朝食だ。
昨日寝たのが0:30で起きたのが3:45、さすがに眠く、気がつくと酒々井に停車中。次の成田で降りるので、一緒に眠りこけている歩美を起こす。すこぶる機嫌が悪い。
成田はまだ6:30前だというのに妙に人がいて、にぎやかだ。早起きな街だ。
近くのコンビニでつまむものを買って後続の銚子行きに乗る。普通は銚子へ行く場合、成田を経由しては行かず八日市場などを通っていくものだが、今日は久々にこの成田線を通って、あちこち下車しながら行くつもりだ。
まず小見川下車。古い駅舎を眺めて折り返し水郷でも下車する。コミュニティセンター併設の洋館風の駅舎で、支度中のおばさんと歩美は仲良くなり、アメ玉をもらって機嫌がよい。
天気はわりに良いが風が冷たく寒い。キュロットスカートから出た歩美の足がトリハダだ。長ズボンはかせれば良かった。
また列車で進んで下総橘で下車し、折り返し笹川で降りる。こうやって書いていると「行って戻って進んではまた戻る」といった感じで、なんとつまらないことを子供に強いておるのか、とお叱りを受けそうなのだが、子供はそれなりに楽しんでいる様子で、駅ごとに駅員さんには声をかけるし石は拾うし、退屈している様子はあまりないのだ。
小腹がすいてきたので、笹川駅近くのコンビニでパンを買って駅で食べる。歩美はさっきもらったアメ玉が気になってしょうがない。おやつは10時と3時!と強い語調で言ったらすねている。困ったもんだ。
一駅進んで下総豊里。無人の古い駅舎が建っている。40分ほど時間があるので、風があり少し寒いが歩美と走り回る。ホームの端から端までダッシュで2往復、歩美はバテバテで、こっちも少し息が上がっている。
一度松岸まで進み、戻って椎柴で下車する。ここでも時間を持て余すので、飲み物を買ってホームに腰掛けひなたぼっこ。歩美はホームから足を投げ出すのが少し怖いらしく、しきりに列車が来ないかを気にしている。陽がのぞいてきて少し暖かくなってきた。寝ころぶと眩しい。

銚子には11:30過ぎに到着、20分ほど待って銚子電鉄の列車に乗り込む。元銀座線の車両が、彩りも鮮やかに転身、単行で犬吠埼のほとりを走っている。
本銚子で折り返し、観音で下車する。隣の仲ノ町まで歩くつもりでいるので、歩きながらたい焼きでも頬張ろうかと駅売店で買い、歩き出そうとしたところで水を差された。歩美がトイレに行きたいというのだ。急いで駅へ戻り、トイレへ入って済ませるよう言ったが、便器を目の前にして動かなくなった。なぜだか聞いてみると、「アリがいるから怖い」のだそうだ。アリ・・・。見れば体長2mmほどのごく小さいアリが2〜3匹便器を歩き回っている。気にしないで済ませるよう言ったが頑として動かず、時間が無くなってきた。アリを備え付けの紙で拭いても怖がっているので思わず怒ってしまい、結局そのまま歩き出すことになった。
怒りが収まらず、一言も口をきかずに仲ノ町まで歩き、列車に乗る。仲ノ町は車庫併設の駅で、今日は出番のない車両が憩っている。
乗った列車は古い車両で、車内にニスのにおいが漂っている。床が木張りで、重厚な感じを受ける。
笠上黒生で下車すると、すぐにトイレに行きたいと言い出した。表情が辛そうだ。走ってトイレに連れて行き、無事済ませた表情が照れている。・・・私も大人げない怒り方をした。自己嫌悪。
隣の西海鹿島までたい焼きを食べながら歩く。キャベツ畑が多く、黄色っぽい色合いの畑が広がる。

君ヶ浜・海鹿島・外川と折り返しながら進み、犬吠で下車する。時間は14時過ぎ、腹が減っているので、ちょっと遅いが昼食にする。この駅には、昔銚子電鉄を走っていた電車が改装されてレストランとして営業しているのを知っていたので、ここに入る。あまり愛想が良くなく、客が誰一人いないのに水を持ってきてくれない。本当はセルフサービスなのだが、大声で雑談してるなら持ってきてくれても良さそうものだが。
ついてきたつみれ汁がなかなか旨かった。歩美が少々大声を出しても気にならない客の入りだったので、それだけでも良しとしよう。
犬吠駅で降りたなら、犬吠埼くらい行っておきたい。10分ほど歩き、海岸線の遊歩道を見て回る。風が非常に強く、波が高い。髪の毛がグシャグシャになったまま歩き回る。すれ違う人もすごい頭になっている。
途中で串焼きのハマグリを買い、いざ二人で食べようと思ったところで気がついた。歩美は貝一般が全く食べられない。食べるか聞いてみたが、案の定渋い顔でいらないと言っている。失敗。
歩美は海岸の岩場が気に入ったらしく、うろうろ歩き回っては何か拾っている。みれば貝殻だ。去年沖縄へ行ったとき、ビニール二袋ぎっしり持ち帰ったのを忘れたの?
一回りして次は灯台に登ってみる。99段のらせん階段を登り、狭いはしごを登った先は、まるで暴風圏!立っていると後ずさりしそうな風で、歩美は手すりにつかまらないと立っていられない。ジャンプしたら立ち位置が30cmくらいずれそうだ。
すぐ前を登っていたカップルは、女の方が半泣きで、男は笑っている。いや、マジで高いところが苦手な人には死の恐怖だよ、これは。
らせん階段を降りてきた下界は、暖かくて風も弱くて、まるで別世界だった。さっきまではここも風が強くて寒いと思っていたのだが。
芝生をかけっこしたあと、またしばらく海辺で遊び、犬吠埼を後にする。なんだか膝が笑っている。
銚子で特急に乗り換え、私だけ居眠りしながら東京までは約2時間。遊び相手がいなくて、歩美は退屈だったらしい。
自宅には19時に着いた。犬吠埼からちょうど3時間だ。

佐原にて

きたねー駅

本人お気に入りのカット

電車来ない?

古い電車

刺身大好き

走る!

貝殻拾いたい

ヒゲ!?