正月パスで青森へ 2004.01.01

JR東日本が毎年発売している「正月パス」をご存じだろうか。元旦に限りJR東日本管内が乗り放題で、4回まで指定席も使えて10000円とお値打ち、グリーン車用は13000円でグリーン車が4回使え、さらにお得感がある。一度使ってみたいと思ってはいたが、何しろ元旦のみ使用可能ということで、なかなか使う機会に恵まれなかった。
が、今年は妻の許可が得られ、初めて使ってみることになった。当然のことながら子供と一緒、しかも7歳の長女・2歳の次女共に連れて行く。
毎年元旦の空席情報は見ていて、混雑するのは知っていたので、一ヶ月前の12/1に東京6:00発、朝一番の八戸行き「はやて291号」のグリーン席を押さえておいた。
だが、肝心の行き先が決まらず、直前に私と次女がインフルエンザで寝込んだこともあって、帰りの切符や八戸から先の切符を取るのは困難を極めた。結局、行き先は浅虫水族館と決まり、苦労の末一部の列車以外は指定も押さえた。いざ出発!!


2004/01/01 (Th)
昨晩は妻とTV(皆さんご存じ、元横綱対野獣です)を見ていたらいつの間にか眠っていて年越し。冴えない一年にならないといいのだが。
4:45に起きて支度し、子供を起こして準備させる。妻が早起きして握り飯を作ってくれ、列車の中で食べるようにと持たせてくれた。感謝。二度寝するのかな?
西馬込5:18発の列車で出発する。車内には池上本門寺の初詣帰りだろうか、疲れた表情のカップルにいちゃつくカップルに座席に寝ころぶ酔っぱらいに、いろいろ乗っていて見ていて楽しい。
新橋乗り換えで東京駅へ行き、「はやて291号」に乗る。さすがに混雑していて、昨晩の空席案内では全席完売だっただけに、立ち客までいる。全席指定の列車なのだが・・・。

グリーン席を2席取ってあるので座る。窓側に長女、通路側に私、その間の肘掛けに次女。次女は肘掛けに妙にぴったりはまり、まんざらでもないようだ。
立ち客がグリーン車の車内まで入ってきていて、鬱陶しいしうるさい。車掌が誘導してデッキに立たせたのには拍手を送りたい。もとより全席指定のこの列車、立席は枚数限定のはずなのだが、持っている様子はなく、車掌ともめているようなのだ。
はやて・こまちのグリーン車には専任の女性クルーが乗っていて、飲み物のサービスに回ったりおしぼりを配ったりしている。次女の分まで飲み物をもらって恐縮する。それにしても、元旦から乗務して、東京−八戸を立ったまま1往復くらいはするのだろう、大変な仕事だ。ご苦労様です。
宇都宮あたりを通過中に初日の出を拝む。きれいに見えている。一年、大過なく過ごせますように・・・。
持参の握り飯を広げる。真っ先に手を出した次女が二つ、長女が三つ食べ、私の分はわずか一個。。。腹が減りそうだ。
3人で居眠りしているうちに盛岡を過ぎていた。30分ほどで終点・八戸に着くので、支度を始めておく。

八戸から浅虫温泉までは、座席が確保できていない。 ・・正確には、数は確保できているのだが車両が離れてしまっている。最後まで粘ったがダメだった。
一応長女に「お父さんと離れた車両で一人で座っていられるか?」と聞いてみたが、涙目になりそうな表情をしている。こりゃだめだ。というか、7歳の女の子を、混んだ列車で一人で座らせておく勇気はさすがにない。
仕方がないので目指すは自由席。10両の新幹線から6両の特急に乗り換えるので、混雑必至、ダッシュすることを長女に伝えておく。次女は私が抱き上げる。
八戸到着、ひたすら走る!長女も必死の形相でついてきている。自由席が2・3号車なのを走りながら係員に聞き、いざ2号車へ。
走った甲斐あり、隣り合わせた2席を確保できた。ホッとしたところで長女が泣き出した。置いていかれそうで怖かったらしい。ごめん。。。
喫煙車だったことにしばらくして気づき、がっかり。臭い、煙い。閉鎖&混雑した環境でたばこを吸うのはそろそろ吸う側から遠慮してほしいのだが。それがたとえ「喫煙車」でも。
JRはこの春から禁煙車を増やすらしい。大いに結構だ。座席は禁煙、喫煙コーナーで吸うのが当たり前という環境に早くなって欲しい。
続々と自由席に人が乗り込んでくる。すでに空席はなく、デッキ近くに立ち客が増えてきた。ちょっと心苦しい。指定を2席持っているんだよね。。。
近くに立った50代風の一人旅らしい男の人に声を掛ける。どうやら「正月パス」利用客らしいので、手持ちの指定席券を使って欲しい旨を伝えて渡す。理解してもらえたらしく、その人は指定席の車両へ移動していった。ちょっとだけ免罪されたかな。。。

よく晴れた青森・南部地方を「つがる91号」は快調にとばす。国鉄時代の塗色のままの485系電車、接客設備も従来のままだ。懐かしさを覚えずにはいられない。言い換えると「小汚い特急」なのだが。

浅虫温泉駅に10時過ぎに到着し、歩いて浅虫水族館へ向かう。歩いて10分かかると書いてあるのだが、子連れだとけっこう遠く感じる。土休日だけでもシャトルバスを出してくれるとうれしいのだが。2歳児は「疲れた」と宣って歩かないし。結局抱き上げて歩くのでこっちはへとへとだ。
水族館に入ってすぐのところで福引きをやっていて、客が少ないのか子供二人で10回くらい回させてもらったがいずれもハズレ。なのに、当たりの賞品らしい鉢植えの花をもらってしまった。荷物になるが、せっかくなので丁重にお礼を言って頂く。
10日ほど前に福井の水族館にも行っているだけに、どこかで見たような展示も多いが、水槽内にガラスのトンネルを作ってあるのは子供受けがよく、エイやサメの腹を見て喜んでいる。最近はすっかり「エイ好き」な長女、名前を一向に覚えず、いつも「顔がおなかにある魚」と呼んでいる。
偶然ラッコの食事タイムに居合わせ、器用に貝殻を割って食べるシーンなどを長女と見る。残念ながら次女は何がなんだかわかっておらず、退屈そうだ。唯一、ラッコが「脱糞」したシーンだけ勝手に盛り上がっていて、変なやつだ。
ふれあいコーナーといった名前で、海の小動物にさわれるコーナーが用意されている水族館は多いが、さすがは青森、ここでは小柄なホタテとホヤがうようよいる。ホタテに水掛けられる長女、ホヤやヒトデを怖くてさわれない次女。

水族館といえばイルカショーだ。ここは気候が厳しいからか室内にプールと客席があり、外が吹雪でも観ることができるようになっている。
肝心の内容は・・・イルカたちには悪いが、ネタ不足&準備不足、という感じで、何をやっているのかイマイチわかりにくかった。盛大にジャンプしてくれたので子供たちは楽しんでいたから、よしとするか。
イルカショーが終わったら、その場で餅つきを始めたので、様子を眺める。すると、つきあがった餅を客に振る舞うらしく、きなこを用意してスタッフが待っている。これは食べたい。というわけでみんなで並び、つきたての餅に舌鼓。

昼時になってきた。食事にしたいが、なにしろ元旦、どこが開いているか見当もつかない。タクシーを呼んで開いている店へ連れて行ってもらう。
結局、駅の近くの食堂「鶴亀屋」で昼食。店員さんがお休みなのか、店の長男坊と思われる男の子まで注文を聞きに回っている。といっても、元旦特別メニューにはラーメンとカレーくらいしかないのだが。
思いの外ラーメンが旨く、メニューがしょぼくて失敗した、と思っていたのが大当たり。また来たいと思わせる味だった。
目の前が砂浜なので、子供とちょっと遊ぼうかと思ったが、風が強くて非常に寒く、断念。またインフルエンザにかかったらたまったものではないので、早々に駅へ引き上げる。

駅近くに、道の駅併設の温泉施設があり、そそられるものがあるのだが、帰りの列車まで30分くらいしかないのであきらめ、近くの売店でホタテ貝殻焼きを買ってみる。なんと100円。激安だ。あんまり安いのでどんなものが出てくるか心配だったが、しっかり貝殻に乗ったホタテが醤油の香ばしい香りを漂わせながら出てきて感激。2個頼んだのだが、ちょうど客が大勢来たところで注文が殺到したのか、1個は小さめのを焼いてオマケにしてもらえ、100円で長女と次女、二人とも楽しめた。私は貝柱を彼女らに食べさせた残りのヒモ。これも旨かった。
浅虫温泉の駅前には足湯があるのだが、寒いし風よけがないので誰もいない。足だけでも浸かろうと思っていたのだが、なまじ足だけ浸かってもこの風ではやっぱり風邪を引きかねない、と判断、駅待合室へ入る。

暖房が掛かっていて居心地のいい待合室は、大勢の人でごった返していた。一角で餅とお茶、それに酒を振る舞っている。混んでいる理由はこれらしい。
せっかくなので頂きましょう、と、餅とお茶、それに酒をもらってストーブの前で3人並んで座って食べる。水族館で頂いた餅より水気が多く、よく伸びる。
酒がちょっと変わっていて、真っ白なので甘酒かと思ったが味は日本酒、おいてある一升瓶には「どんぺり」と書いてある。
食べ終わったころ、「つがる92号」が到着、早速乗り込む。直前で偶然取れたグリーン席2席に座る。グリーン席は全部で16席しかなく、どうりで取れないわけだ。

車両は行きで乗った「つがる91号」と同じ485系だが、こちらはグレードアップ車で、新車と見まがうような内装になっている。だが、これがいけない、というか、グリーン車と普通車の差があまりに小さい。フットレストがあるのとシート間隔が1.25倍?くらいあることしか差がないように思われる。
今日はJR列車は「繁忙期」という期間に当たり、指定席は710円、グリーン席は青森−八戸で1000円、差は290円なので、あえて過剰に豪華にはしなかったのだろうか?
1時間で八戸着。東京までの「はやて222号」もグリーン席が取れているので、さっきとは違いゆっくり移動できる。ここでは「倉石牛めし」を買う。何度か買ったことがあるのだが、これは旨い。八戸といえば「小唄寿し」という有名な駅弁があるが、勝るとも劣らないと私は思う。
子供はおなかいっぱいらしく、お菓子もあるので何も買わずに乗り込む。
行きと同じく次女は肘掛け、長女は窓側で座って東京へ。ドリンクサービスではまたも次女分まで頂いてしまう。
東京到着直前、怪しい風体の鉄道マニア?と思しき男が、上野で降りていった家族連れの座席のシートポケットを物色している。怪しすぎて犯罪のにおいすら漂うその行動に唖然。頼むからもうちょっとだけ普通にしていて欲しい。。。

自宅には18:30頃到着。700Km強を往復して、餅食ってホタテ食ってイルカ観て帰ってきた、そんな元旦の旅でした。

熟睡inグリーン車

懐かしの485系

お腹に顔がある!!!

逆立ちアザラシ

いや〜〜ん

詰まらせないよう注意

懐かしくない485系