久々の九州 2004.02.18〜21

職場を異動になり、休日出勤が当たり前にある職務になった。2/16からの週は振り替え休みを取ることになっていて、2/16に夜勤明けで帰ると、次に会社へ行くのは翌週の月曜、2/23だ。
妻と協議の末、水曜に催される次女の参観日を担当し、その夕方〜金曜一杯出かけてよいことになった。
久々に九州でも行くか。4年ぶり近い。

2004/02/18(水)
自宅を19:15に出発する。食器用洗剤を長く使うと手荒れがひどく、痛い。
近くのモスバーガーが一月末で閉店し、喫茶店になって今日オープンしたようだ。何だかオシャレすぎて入りづらいな。
今日は次女の参観日。間もなく3歳になるが、大きくなった。友達とのかけひきもできるようになってきてかわいい。そんな次女に、出がけにちょっとだけ泣かれた。やっぱり悪い父親だろうか、年に8回くらい一人で出かけるのは。
五反田で山手線に乗り換え、さらに品川で新幹線に乗り換える。品川に駅ができて、東海道新幹線が使いよくなったのは嬉しい限り。
広島行最終の、「のぞみ67号」に乗る。この列車で福山まで行き、宮崎行の夜行寝台特急「彗星」に乗り継ぐのだ。
「彗星」の福山発は0:01、惜しい、2分の差で乗り継ぎ割引の適用外となる。新幹線から在来線への乗り継ぎ割引は当日しか適用されないのだ。意味合いを考えたら、適用してくれても良さそうなものなのだが、ルール上は無理なようだ。
つまみ無しで缶ビールを空ける。車内はほぼ満席、閑散期の水曜なのに景気がいい。
メールを見たり、InterLinkで鉄道DBの新バージョンを考えたりして過ごすが、何しろビールが効いてきて、昼間の疲れもあるのか眠い。
居眠りしながら名古屋、京都、新神戸と進む。何故が新大阪は気付かなかった。乗客はいつの間にか減り、ざっと3割くらいか。岡山でも結構降りる。

23:30、定刻に福山に着く。彗星は0:01発、30分ほど待ち合わせ時間があるので、駅前へ出てみる。広い通りが真っ直ぐに延び、広々した感じの駅前だ。
ラーメン屋を見つけ、入る。近くに尾道という、魚介系スープのラーメンで有名な土地があるのだが、なぜかとんこつ。けっこう旨い。生ビールを一緒にたのめばよかったと後悔する。この時間では自販機で買えないので、「彗星」車内で飲むのはほぼ絶望なのだ。
駅に戻り、程なくやってきた「彗星」に乗り込む。一人用個室を取ってある。寝ころぶとビールが欲しくなる。さっさと目をつぶる。

2004/02/19(木)
目が覚めると6:00、宇佐停車中。定刻のようだ。よく寝た。顔を洗って仕度する。まだ暗い。
6:40、別府に着く。実に10年半ぶりに降り立った。駅前をぶらつき、後続の列車で東別府・西大分と下車する。どちらも古い木造駅舎が残っている・・・たしかに残ってはいるのだが、東別府の方は改装中で駅舎がよく見えない。ガッカリ。
大分で9分停車、うどんでも食べようかと思ったが、ホームにスタンドがない。仕方なく売店でサンドイッチを買って車内で食べる。思ったよりずっと旨く、ちょっと得した気分だ。
幸崎で下車する。有名な関サバ・アジの産地、佐賀関へバスが出ているが、しずかな駅で、待合室で老婦人の談義を聞いて過ごす。
後続の電車は817系。普通列車だが、座席が革張りだ。すごいぞ、JR九州!! だが、2両編成の車内は数えるほどしか客がいない。
下ノ江、熊崎と、古色蒼然とした駅舎を訪ね降りる。ベンチひとつにも妙な造形があって見飽きない。

上臼杵で下車、ここも古い駅舎が残る。ここから臼杵市内を抜けて臼杵駅まで歩いてみる。
臼杵川沿いの通りを歩く。気持ちいい。城下町らしく、古い商店や路地、そのものズバリ「辻」という名の五叉路など、なかなか楽しい。城跡も当然あり、楽しめる街だと知った。以前来たときは早朝4時頃、四国・八幡浜からフェリーで渡って、すぐ列車に乗り継いでしまったので、町の様子など何一つ分からずじまいだったのだ。
臼杵駅周辺は中心街から外れており、城下町によくある、鉄道の反対運動か何かによって中心部を避けて敷設されたパターンかも知れない。

やってきたのは特急「にちりんシーガイア」。ハイパーサルーン型の車輌だ。久々で嬉しくなる。もっとも、隣の津久見で降りるのだが。
その津久見では、30分ほど時間があるので駅前の喫茶店で休憩。コーヒーがなんだか妙に旨く感じる。
後続の列車に乗り、狩生で下車する。何ということのない無人駅だが、梅が咲いていていい香りにつつまれている。そういえば、寒くない。さすが南九州に入ってきただけのことはある。
もどって浅海井。海が近いので海岸の方へ出てみると、佐伯行のバスがすぐにあるので乗ってみる。ラッキー!
海岸線に忠実に走り、景色がいい。水がとても澄んでいて、泳ぎたいくらいだ。
途中、「浪太」というバス停の手前で「塩湯」という看板を見つけた。天然海水風呂。ヒリヒリしそうだが面白そうだ。
入り江を走り、セメントのプラントが見えてくると海崎駅前バス停、ここで降りる。乗る予定の佐伯行普通列車は15分ほどでやってくるので、ボーッとして過ごす。
お昼時となってきた。佐伯ではメシ調達!5年半前食べた駅構内の立ち食いそば屋は、廃業したのか無くなっているので、「雪ん子寿司」なる椎茸と大根の寿司を買う。足りなそうなので、鯖の柿の葉ずしを買って特急「にちりん」へ。
佐伯名物?らしい「雪ん子寿司」。味は・・・微妙。私は、次は買わない。不味くはないけど、美味しくも・・・ないかな。甘辛くした方がいける気がする。
「にちりん」は空いている。宮崎までは2時間、ちょっと気だるい。普通列車なら駅ごとに変化があってそこそこ楽しめるのだが。
日向をひたすら南下する。それほど海沿いでもないのだが、好きな区間だ。列車もほどよい空き具合。美々津を過ぎ、リニアの実験線が並走する。もう走行実験はしていないはずだが、施設は健在だ。

宮崎で西鹿児島行き特急「きりしま」へ乗り換える。3両のミニ編成。だが、国鉄風カラーリングでJNRマークまで付いている。感激。だが、「きりしま」には車販が乗っておらず、コーヒーを買うこともままならない。つまらない。
都城を通るのは久しぶりだ。ここも10年ぶりくらいかな?西都城から分かれてゆく志布志線の跡に、住宅が建っている。市街地を抜けたあたりはサイクリングロードっぽくもなっている。廃止から10年経つと、こんなものか。
今日は一日曇りがちで、ついにパラパラ雨まで落ちてきた。このあと指宿で砂蒸し風呂に行ってみたいが、入れるかなぁ。
17時過ぎに西鹿児島着。新幹線が在来線ホームの真上に直角に入ってきている。隣には在来線特急「つばめ」が発車を待つ。在来線「つばめ」の活躍もあとひと月を切った。
すぐに接続の指宿枕崎線で指宿へ向かう。ラッシュアワーにかかってきているので混んでいるが、見る見る減って坂之上で座れる。薄暗くなってきた海岸沿いを行く。腹が減ってきた。
18時半過ぎすぎに指宿に着く。ハラペコで倒れそうなので、売店でちょっとした菓子を買って血糖値を上げ、いざ砂蒸し温泉へ!!
バスはもうない時刻なので、タクシーに乗る。観光地のタクシーらしく、宿は取ったか、この後あてはあるのか、など色々聞かれるので正直に答えておく。帰りに携帯に連絡すれば迎えに来てくれるそうな。その言葉に乗っておこう。ついでに土地のものを食べられる店へ連れて行ってもらうことにして、砂蒸し温泉施設「砂楽」で降りる。雨が降っている。
1000円払って浴衣に着替え、波音聞こえる砂浜へ。浴衣姿の女性がいてちょっとひるむ。寝ころび、係の方に砂をかけてもらう。重い!砂ってこんなに重いのか!
あったかい砂に理まって、波の音をききながら15分。極楽〜〜!!
汗ぐっしょりで普通の温泉へ。少し熱めのしょっぱい湯が心地いい。つい長湯して、のぼせ気味で出る。さすがに平日の20時、やたら空いて気楽だ。さて、そろそろタクシーを呼ぶか。
運ちゃんおすすめ駅前の「青葉」へ。角煮やらカツオやら、刺身盛り合わせやらで飲む。当然焼酎も頂いておく。うまいー!
程よく酔っぱらい、西鹿児島行き最終列車で居眠りしながら戻る。
気がつくと西鹿児島、よく眠った。急いで博多行き夜行特急「ドリームつばめ」へ。1993年に20日間九州を巡ったときには何度世話になったやら、片手では足りないくらいだ。豪雨での抑止→車内缶詰など、懐かしい思い出だ。今日はグリーン席を取ってある。つばめのグリーン席は最高だと思う。だが、やはり客は少なく、私を含めて2人。
定刻の23:45、西鹿児島を後にする。すぐに眠りに落ちる。

2004/02/20(金)
目覚めると鳥栖停車中、顔を洗って過ごす。定刻に博多に着く。名残惜しいので写真に収めておく。
戻る形で荒尾行に乗る。6:37発の特急「かもめ1号」に乗れれば良いのだが、鳥栖へ先行して弁当を買っておきたい。鳥栖といえば焼売(しゃおまい)弁当だ。
40分ほどで鳥栖に着く。古風な駅舎を撮影し、弁当も手に入れて「かもめ1号」へ。普通車だがレザー張りシートだ。グリーン車かと思い少し驚く。それほど高級感あふれる車内で、メンテナンス費用は大丈夫なのか気にかかる。
焼売弁当を紐解き、朝の佐賀県の車窓を見ながら朝食にする。飲み物がないのが残念だが、旨い。車内販売が乗っているのかと思っていたが待てど暮らせどやってこない。
車内はがらがらのまま、3分遅れで諫早に着く。ここは長崎への通勤圏内で、この列車を待つ人の列の長いこと!長崎市への通勤利用がとても多いようだ。
ここから乗る、大村線佐世保行き快速「シーサイドライナー」はキハ67型、筑豊のエースが都落ちだ。筑豊線・大村線どちらも、過去に栄光の時代がある路線なのは何かの因果かな?ちなみに筑豊線は石炭産業華やかりし頃のドル箱路線、大村線は旧・長崎本線だ。
大村で下車する。路線の歴史を知らずば、なぜこのようなローカル線にこの立派な駅舎が?!と思ってしまうような駅舎が迎えてくれる。最近、天皇が降り立ったことがあるらしく、写真が飾ってある。
後続の列車に乗る。海沿いを走る。風が全くなく、霧らしいものが水面に立ち上っているので水平線がわからない。なにやら幻想的な風景が続く。
海沿いの小駅、千綿で下車する。線路の先はすぐ海だ。快速は通過するこの駅に列車は2時間あまりやってこないので、バスを利用して快速停車駅の隣駅・彼杵へ向かう。バスも一日数本しかないのだが、丁度いい時間に便があるのを調べておいたのだ。
バスも海沿いを走り彼杵へ。ここはくじらが名物らしく、駅近くでは解体している様子も見えた。捕ってもいいのか! 知らなかった。
後続の快速に乗り早岐へ。途中、「小串郷」やら「南風崎」と、魅力的な駅名が続く。ハウステンボスをかすめて早岐着、すぐ接続の特急「みどり」で武雄温泉へ。有田のあたりは、さすがは焼き物の里、窯元だろうか、煙突がやたら多い。
特急「みどり」は有田でほぼ満席になる。4両と短いこともあるけれど、金曜午前中の上り列車としては乗車率がいいほうだろう。
武雄温泉で下車。高架化の真っ最中でプレハブ駅舎がホームの上に取り付けてある。5年前はひと風呂浴びたが、今日はあたりをぶらつき、永尾・三間坂・上有田の各駅に降りることにする。
上有田は、やはり窯元だろうか、煙突が多い。駅舎は明治30年築の相当古いもので、手入れされて非常にきれいになっている。建て替えずとも、普段からよく手入れしていれば木造建築は長待ちするのだと再認識する。三間坂も大きな木造駅舎で、待合室でゆっくりしていると、不思議とおちつく。
それにしても暑い。コートを着ているのがバカらしくなるほどの陽気だ。ジーンズがジリジリ熱い。
有田へ戻り、松浦鉄道で伊万里へ。伊万里は駅が変で、JRと松浦鉄道で道はさんで分かれている。松浦鉄道が国鉄だった頃は、当然同じ駅だったのだが。直通旅客の便はあまり考えていないらしい。
伊万里の街中を歩いて、隣の上伊万里へ。川でコイがジャンプしている。縁起が良い。あのコイのように今年は跳ねてくれ、カープ。
肥前長野、金石原と降りる。1時間ほどあるので歩いて隣の桃川へ。小学生に突然「こんにちは!」とあいさつされ、驚く。あの子達の目には、私はどう映っているのだろうかと思うと、ちょっと不安になる。フリーライターあたりに見えたとしたら助かるのだが。

山本で乗り換え、厳木で下車する。駅裏に蒸気機関車時代に使用されていた給水塔が保存されており、妙に神々しくモニュメントチックで、みとれてしまう。
このあたりの路線はほとんどが10年半ぶりの再訪で、ほとんど記憶にない。初めて乗る路線のように新鮮だ。
小城で下車、りっぱな木造駅舎を後にし、バスで東多久へ戻るつもりだ。だが、小城バスセンターが思いのほか遠く、荷物背負って800Mは走っただろうか、汗だくになる。そんな思いをして急いだのにバスは遅れており、東多久では駅までまた200M走る。こんなことしてまで下車駅増やしても意味ないな、と自分を戒める。
佐賀では特急「かもめ」に乗りかえる。しばらくすると先発する東京行き夜行寝台特急「さくら」が来た。これに乗っても帰れるなあ。但し、着くのは明日の昼前になるけど。
特急「かもめ」には無事座れ、博多まで35分。快適! だが、後ろの座席にいる女性は、立ち客がいるのに座席に荷物を置いたままだ。人様のオツムをとやかく言えるような頭を持ち合わせてはいないのだが、この人は客観的には「バカ」だなと思える。
博多駅でお土産を買って地下鉄で中州へ。一度川沿いの屋台に入ってみたかったのだ。着いたはいいが土地勘がなく、20分徘徊してようやくそのエリアに到着。名前がいいので「大ちゃん」という屋台に入る。ハラペコなのでいきなりラーメン、それからおでんやら串焼きで飲む。うまいー。なんだか毎晩飲んでいる。
子連れの人もいる。夫婦で来ている人もいる。会社帰りに来ている人がいるのは当たり前か。いいなあ。
おなかいっぱいになり、屋台街を後にする。そういうエリアなのだろうか、ソープの客引きに何度も声かけられながら中州川端駅へ。ここから地下鉄で約10分、無機質な空港に着く。つまらない。
機材の到着遅れで、出発が10分遅れの21:45だそうだ。もう、どうでも良くなっているので、無事に飛んでくれればいいや、という気になる。自宅最寄りの駅へたどり着けない可能性は低いし。
不覚にも眠ってしまい、着陸の衝撃に気付かないまま羽田到着。京急で蒲田・泉岳寺で乗り換え、自宅には0:30に着く。

博多の屋台に行けたし、砂蒸し風呂に、5年越しの念願叶った下車駅も多い。やっぱり九州が好き。

白いSONIC

九州の普通列車はこんなです

ハイパーサルーン

梅の花in狩生

指宿砂浜湯気もうもう

さよならドリームつばめ

千綿の海

厳木のモニュメント