フルスタ宮城と石巻線 2005.06.11〜12

今年から始まった交流戦&今年その歴史が始まった東北楽天イーグルス(あえて「ゴールデン」つけません、長いし)、ぜひ仙台の地で見たい。何とか妻の了解を取り付けて行ってくる。直前まで長女と供に行く予定だったが、イマイチ調子が良くないみたいなので、今回も単独行。

2005/06/11(Sa)
前日に行くはずだったが、バスに乗り遅れ今日に延期。家を掃除したりして過ごし、22:30過ぎに出掛ける。
地下鉄で宝町まで行き、東京駅前から夜行バスで仙台へ向かう。5:15着と野球観戦には少々早いが、石巻線の駅舎をめぐってから球場へ向かおうと思っている。
ゲームの行われるフルキャストス夕ジアム宮城は、「鳴り物応援禁止」らしい。なので今回はメガホンも持っていないのだが、どんな感じになるか楽しみだ。
ただ、実は球場の前売り券が売り切れで、当日売りを買うしかないのがちょっと心配の種ではある。
東京駅前でバスに乗る。3列シートの車輛でほっとする。以前米沢行く際に利用して以来、東北急行のバスは4列という先入観があったのだ。
よく「夜行バスで出かける」という話を会社ですると、私の鉄道好きを知る人は「なんで列車で行かないの?」と尋ねられる。日本の夜行列車は衰退の一途で、北海道へ向かう観光列車を除いては相当に選択肢が狭いのが現状なのだ。仙台へ行くのに利用できる列車は、事実上「ない」。25年ほど前なら何本かはあったのだが。
程なく眠る。途中、3回ほどサービスエリアでの休憩があったようだが、あまり覚えていない。

2005/06/12(Su)
目が覚めると4:50、一般道を走っている。いくらか早着しそうな気配。
果たして仙台駅前には4:58着。予定していた列車より1本早い、仙石線の始発列車に間に合いそうだ。急いで仙石線ホームへ向かい、なんとか間に合う。スイカが使えてちょっと嬉しい。
やってきた電車は最近まで山手線で使用していた205系電車で、外見こそ手が入っているものの車内はそのまま、渋谷や新宿あたりを走っている感覚だ。もっとも車窓は相当に長閑だが。
始発列車だけに、怪しい乗客が多い。電車の中で寝転んだり大声を上げたりうろうろしたり。
さて、始発列車に間に合いはしたものの、これで行っても石巻から先の列車に変わりがない。ちょうど良いので途中の小鶴新田で下車する。昨年春の新設駅で、前回来たときは駅自体がなかったので降りていない。まだ開発途上な駅前をぶらつき、コンビニで朝食を買って後続の列車で石巻へ向かう。
石巻では女川行きに乗る。何と、ほとんど原型のキハ28が!これは嬉しい!!迷わず乗る。国鉄気動車の雰囲気そのままで、なにやらホッとする雰囲気がある。
万石浦で下車、隣の渡波まで歩く。朝の空気が心地よい。空は晴れ渡り、野球観戦日和だ。あとは球場に入れさえすれば。。。
渡波までは15分ほどで着く。背の高い立派な木造駅舎が建っている。今回の石巻線再訪はこの駅舎訪問がメインだったりする。
女川行きに乗る。今度もキハ28を連結、ただし今度は転換クロスシート装備車だ。やはり迷わず乗る。
終点である女川の一駅手前、浦宿で下車する。入り江が望め、気持ちいい。ぼーっとしていると上り列車が来た。さっきの列車が折り返して来たのだ。
戻って沢田にも降りたのち、さらに折り返して終点の女川へ。ここに降り立つのは実に12年ぶりだったりする。石巻線自体が前谷地以東はとんとご無沙汰だったのだ。
女川港への引き込み線跡や港を見て回り、駅へ戻る。ホームへの階段に、昭和35年のチリ地震で津波が襲ったときの水位が記されている。地上から優に2メートルはありそうだ。
小牛田行きの列車で折り返す。鹿又で古い木造駅舎を撮影して再度石巻へ戻り、今朝来た道、仙石線を宮城野原まで戻る。
徐々に混んで来て、エンジ色の帽子を被った人などを見かけるようになってくる。鼓舞されるようで気合が入ってくる。思ったより早く地元に根付いているような気がして、それはそれでなんだか嬉しい。

混雑する宮城野原駅で下車し、エンジ色の隊列に加わる。見えてきた、フルキャストスタジアム宮城。なかなか賑やかで、物販ブースが至るところにある。
早速当日券を買う。無事に入手できてよかったよかった。買えなかったらどうしようかと気が気でなかった。
広島の有志が、市民球場建て替えのための樽募金をやっている。宮城県が特例として募金を認めたとニュースでもやっていた。わずかな額ではあるが私も募金する。願わくば、今の場所で立て替えが進まんことを。
ぐるっと半周して外野ゲート、しかも一塁側から入場する。この球場ではビジターチームが一塁側なのだ。牛タン屋さんが売店で入っているのはさすが仙台。
スタンドに出て唖然とする。バックスクリーン寄りの外野席は数列しかなく、あとは西武球場のような芝生席、あとから継ぎ足したような外野スタンドがポール際にかけて続いている。内野席のスタンドの一部は建設中で造りかけの脚が見える。
増設されている外野スタンドに座り、球場内を眺める。大きくはないが、ギュッと凝縮されているような密な感じのある球場だ。まだ試合開始まで一時間余りあるが、すでに外野は結構な入りで、内野もぼちぼちといった感じ。ちなみに当日の入場者数は17000人を超えていた。
天気がすこぶる良く、背中から照りつける日差しが痛い。すでに真夏かと思うような暑さの中、練習風景を眺めながらじっと我慢。。
腹が減ったので、売店で牛タン弁当とビールを買って昼食にする。まずい。期待したのだが甘かった。七百円では贅沢も言えないが。
小林選手のユニに袖を通し、首に赤いタオルを巻いて暑さに耐える。ビールが本当に旨い。徐々に混んで来て、隣も前もカープファンのカップルで埋まった。私も妻をカープファンにすべく、昨年の五月に東京ドームへ連れて行ったのだが、目の前で読売ファンとのケンカがはじまるわ、「地獄へ落ちろ読売」コール、ファインプレーの読売・黒田選手へのブーイング(これは私はやらんかったけど)等々に嫌気が差してしまったらしく、それ以来誘っても首を縦に振らない。神宮あたりの穏やかな観戦にしておいたほうが良かったかな。
フェリシアーノ投手とホッジス投手の助っ人対決で試合開始。いきなり3点奪われる、嫌ーな展開だ。
この球場では太鼓以外の鳴り物が禁止されているので、応援歌は伴奏なし。途中からは応援団の要請でメガホンも使用せず、手拍子と肉声だけの応援となる。なかなかいいな、気持ちいいよこれは。手をたたき過ぎて一週間手のひらに鈍い痛みが残ったのは言うまでもない。
最近はめったに歌うことのなかった応援歌「僕らのカープ」が3度も登場する。珍しい。風船は使ってOKなので、持参のジェット風船をあたりに振るまい、みんなで飛ばす。楽天側も飛ばしている。
結局、一度は追いつくものの、よもやのスクイズで勝ち越されそのまま試合終了、しばらくその場から立ち上がれず。
失意のまま帰路につく。宮城野原駅の入り口がエンジ色に塗られ、ごていねいにヘルメットまで乗っかっているのに少し怒りを覚える。そんなのに腹を立てる自分が情けない。。。
まだ17時前、このまま帰るのももったいないので、仙山線の未下車駅4駅を巡り、仙台駅近くで牛タンを食べる。旨い。勝って食べたかったなー。
19時過ぎの新幹線「はやて」で2時間ほどで東京着、自宅へは22時前に着いた。

山手線都落ち

懐かしの国鉄ボックスシート

南三陸の街角風物詩・ホタテ

町の顔の風格

フルスタ宮城バックネット方向

宮城野原駅エンジ色