リベンジフルスタ宮城 2007.06.01〜03

リベンジフルスタ宮城

■2007/06/01(Fr) 明るいうちから出発

今日は金曜日だが代休で休み、14時過ぎから小学校の児童引き取り訓練へ参加する。災害を想定しての児童連れ帰りを目的とした訓練なのだが、校庭に集まった保護者の殆どが井戸端会議よろしく喋りまくり、緊張感がまったくない。せめて校長の話くらいは静かに聞けないものかと思う。
無事二人の娘を引き取り、自宅へ帰ってすぐ出かける。今晩の夜行バスで宮城へ向かうので、まだ明るいうちに出る必要は無いのだが、娘たちはすぐ出掛けたいらしいのだ。今日はしばらく一緒に仕事をした後輩の送別会なのだが。
出発して30秒、いきなりハンカチを忘れて引き返す姉、先が思いやられる。
夜までどこへ行くか思案した結果、東京湾を回ることを思い付いた。娘たちは船が好きだし、青堀に鉱泉があるはずなので行ってみようか。
泉岳寺で乗り換え、快適な京急2100系の旅。関西の私鉄のような転換クロスシートに韋駄天走り、だが早くも娘は二人とも飽きてだれている。平日、まだ帰宅時間には早いが混んでいる。
宿題をやっている姉は気持ちが悪くなったらしい。元々酔うのに下を向いて字を書くというのは自殺行為であることを説明するが、そんな説教を聞く余裕は無いらしく神妙な顔でビニール袋を握りしめている。
いつも学校で疲れ果て、帰ってきてから昼寝してしまう次女は、今日も列車で眠りこけている。
海原を前に怯む次女
東京湾は快晴 <東京湾フェリー船上>
50分程で京急久里浜に着く。長女は胃の辺りをさすっているが、危機的に気持ち悪いわけではなさそうだ。駅前からすぐに接続するバスに乗り、港へ向かう。午前中に雨が降ったのが嘘のようないい天気に恵まれた。日差しが暑いくらいだ。
バスは10分ほどで港に着く。しばらくしてフェリーが入港してきた。今日は2船ダイヤで、乗る船は特別室のない「くりはま丸」、覗いてみたかったがちょっと残念。
最上部のデッキに上がり快晴の東京湾を眺めながら出港する。気持ちがいい。子供らもご機嫌だ。長女の車酔いもどこかへ行ってしまったようだ。
風が強くなってきたので船室で過ごす。売店のおもちゃが気になって仕方がない娘たち。次女はとにかく、長女はそろそろもう少し上等なものに興味を持ってもらいたいのだが、一緒になってキャッキャ言っている。
金谷では列車との接続が悪く、50分ほど待ち時間がある。娘たちが腹がへったとうるさいので、夕食をとれそうなところを探すと、港の目の前に回転寿司店とファミレスがある。長女に選択権を委ねたら即答で「寿司!」だそうだ。
平日の夕方、ゴルフ帰りの人もいなく、客は我々と老夫婦だけなので、気軽に頼めるのが嬉しい。娘達はマグロ赤身わさび抜きオンリーでひたすら食べまくっている。・・・安いネタなので助かる。
鯵が思いの外旨くて満足して店を出る。浜金谷の駅からは113系電車に乗る。数を減らしているとは聞いていたが、まだ普通にその姿が見られるようだ。

■ちょっと減点の青堀鉱泉

既に陽も落ちた19時過ぎに青堀で降り、近くの青堀鉱泉「静養園」へ向かう。バスがしばらくないのでタクシーを使うが、ものすごく愛想が悪い。今日び、こんなに愛想の悪いタクシーも珍しい。乗ってから降りるまでほぼ無言、挨拶も「ありがとうございました」もなしである。
その静養園、照明がだいぶ落としてあり、外から見ると営業しているとはとても思えない。娘らも怯えた表情をしている。だが、フロントのおじいさんに入浴のみの利用であることを告げると愛想良く応対してくれて一安心する。
かなり古い浴場で天井のカビが気になるが黒い湯はなかなか良い。他に人がおらず貸し切り状態で気楽なひとときを過ごす。
ロビーで待っていると娘たちが上がってきた。最近風呂は一人で入れるので楽でいい。娘らも天井のカビは気になった模様。
青堀駅への戻りはバスを使う。マイクロバスだがこちらも愛想が悪い。個人の経験談的な話で恐縮だが、千葉ではJRに乗っていてもイマイチな応対を受けた経験が多く(何故か個人攻撃で検札を受けたり、大回り乗車をやるな!と衆人環視の中説教されたり)、あまりいい印象がないのだが、今日一日で負の印象がいっそう強くなってしまった。
青堀駅で池袋までのきっぷを買おうと思ったら窓口が閉まっている。ふとみると変わった券売機があるので操作を始めると、機械から人の声がする。リモート窓口のような券売機で、「もしもし券売機」というらしい。どこかのセンターにいるオペレータがマイクとスピーカで客と会話し、客の目の前にある券売機にお金が挿入されたことを確認したらきっぷを発券する仕組みになっている。使ったのは初めてで驚きの連続、これなら相当数のみどりの窓口を集約できそうだ。
君津で乗り換え東京方面直通の快速に乗る。ガラガラで、15両中数両しかないボックスシートの車両に余裕で座れる有様。モバイルスイカを使って自動販売機でお茶を買ったら、娘たちが手品でも見るような目で私を見ている。わかるわかる、初めて使ったとき、私も魔法でも使っているかのような感覚に襲われたから。
それにしても車内が寒い。冷房が入っていて外より寒い。車掌に申し出たが自動制御のためどうしようもないらしい。進化したのか退化したのかわからないシステムである。
池袋へは思いの外早く着き、夜行バスの時刻まで30分あまりある。子連れで時間をつぶせる場所を考えてみたが、ここしかない。 マックでココアを子供らに飲ませる。夜遅くに甘い物を与えるのはちょっと気が引けるが、ナイトキャップのようなものだと考えて今日はいいことにする。ついでに手洗いを拝借して歯磨きも済ませる。
今晩の宿となるバスが池袋駅西口のバス停に入ってきた。一ノ関・気仙沼・盛を経由して釜石まで行く「けせんライナー」号で、この便を使うのは実に3回目、同一系統の夜行バスで3回乗ったのは初めてだ。
バスは一番後ろの席で、通路が無いので横4席がくっついている。そのうち3席を占拠する。子供らの様子がわかるのでこれはラッキーだ。
夜中に次女が目を覚まし、トイレに行きたいらしいので付き添ったら、席へ戻る途中でバスが急加速、危うく転ぶところだった。次女はそのまま眠れなくなってしまったらしいので抱っこして寝る。小学一年生になっただけあり、重いし大きいしこっちが眠れない。

■2007/06/02(Sa) 遠回りして仙台へ

定刻に気仙沼市役所前へ到着、すぐ前に停まっているタクシーで南気仙沼駅へ向かう。運転手は日本ハム金村投手の知り合いらしく、昨年の優勝パレードを観に札幌まで行ったらしい。そういえば金村投手は地元仙台育英出身だったかなぁ。
南気仙沼から列車に乗ることを伝えたら、まだ列車までは時間があるので、安くするからタクシーで行かないか、と親切心のお話が。大変に有り難いのだが、列車に乗ること自体が目的の一つであるので心苦しいながらも辞退する。昨日の千葉のタクシーとは雲泥の差である。
まだ駅舎に人がおらず、待合室に入れない南気仙沼で歯磨きして始発列車を待つ。子供らはすこぶる元気で、昨晩寝不足気味で体調が気になる次女も問題なさそうだ。
くつろぐ娘たち
くつろぎすぎでは? <快速「南三陸」車内>
何駅か乗り降りし、松岩で下車、近くのコンビニでおにぎりの朝飯を買う。バス停で食べていると、居合わせたおばさんが気さくに話しかけてきて、いろいろ話を聞く。近所の保育園のスタッフらしく、子供らも学校の事やら今日どうやって来たかやら話をしている。
バスで陸前階上へ向かう。おりる際、そのおばさんにバス代を出していただき恐縮する。今日は朝から宮城の人の厚意に感激してばかりだ。
やってきた快速「南三陸」号に乗り込む。気仙沼と仙台を結ぶ列車で、この辺りでは異例の長さの4両編成は6〜7割席が埋まっており、なかなかの乗車率だ。見ればキハ28が連結されているので迷わず乗る。リクライニングシートを装備していて、向かい合わせにして快適な気仙沼線の旅を楽しむ。途中居眠りして手に持っていた缶コーヒーを落としジーンズを汚してしまう。十数年前に同じ事をやって、当時の同行者の妻に笑われた事を思い出す。
キハ28
キハ28型 <前谷地駅>
キハ28や僚車のキハ58も希少車となって久しく、ここ気仙沼・石巻周辺ではこの夏に全車引退、秋田にいる車両も今年度内に引退が決定しており、東日本に残るのは新潟の数両のみとなる。かつて日本中を走り回った1800両あまりの大所帯も、終焉の時が近づいている。引退を早めたのが「石綿」というあたりに悲哀を感じてしまう。

石巻線との合流駅である前谷地(まえやち)で乗り換えて数駅に下車しながら石巻へ向かい、仙石線の快速列車に乗り換える。元・山手線の電車が走っている。
フルキャストスタジアム宮城の最寄り駅である宮城野原に快速は停まらないのだが、今日はプロ野球開催日なので臨時停車するらしい。助かった、乗り換えないで行けるので楽だ。
松島の景色を眺めながら列車は走り、塩釜辺りからは市街地になってくる。車内に臙脂色の帽子やシャツが増えてきて、楽天フランチャイズエリアにいることをいやでも理解させられる。
さて娘達であるが、朝コンビニで買ったお菓子を昼前に全部食べてしまい、次のお菓子を欲しがってごねる始末。球場内で何か買ってあげることにする。ずっと何か食べていないと気が済まないのか、まったく。

■2年ぶりのフルスタ宮城、そして

フルキャストスタジアム宮城
フルスタ宮城は盛況
2年ぶりのフルキャストスタジアム宮城はスタンドが一部広がって電光掲示もパワーアップしており、我が広島市民球場より確実に立派になった印象がある。外野指定席を取ってあるので座り、売店で買った弁当で昼食にする。指定席は自由席よりかなり低い位置にあり応援の熱気はないが、選手が近く目線も低いのでなかなかいい。
今日は快晴で、陽射しが熱い。ビールが実に旨い。臙脂色に染まったレフトスタンドの熱気もすごいが、広島から1000キロ以上離れているにもかかわらず負けず劣らずの熱気と入りのカープファンもすごい。
ゲームはナックルボーラーことフェルナンデス投手と楽天・有銘投手の投げ合い、梵選手のタイムリーエラーで負け。負けは仕方がない。周りに「エセ」カープファン(=実は楽天ファン)が多いのも、ここは仙台なので許せる。だが、訳のわからないヤジを飛ばすカープファンがいたことが非常に残念。自軍の選手へヤジを飛ばすのならいいが、相手の選手へ理不尽なヤジを飛ばすのはケンカの元でしょうに。
失意のまま仙台駅へ向かう。娘らが牛タンを食べられるのなら町中で食べて、父親は少々ヤケ酒飲んで宿へ向かうのだが、非常に残念なことに二人とも苦手、球場でいろいろ食べてあまり空腹でないようなので、このまま今日の宿泊地である山形へ向かうことにする。何故に山形か?明日午前中に仙山線の未下車駅を巡るのだが、仙台から出発するより山形からの方が都合がよいのだ。
仙台駅前のバス停で、若干くたびれた感のあるバスに乗り込む。観光バスタイプの車両で、最後部は妙に深く座れるソファ状の座席になっており、そこに3人で陣取る。隣に楽天の帽子を被った夫婦が座る。山形から観戦に来たのだろうか、我がカープにも栗原健太という山形出身のスラッガーがいるのをお忘れなく。
思わず居眠りしてしまい、気が付くと日の暮れかけた山形市街を走っているところ、程なく人影もまばらな山交バスターミナルビルに着く。山形駅までは2〜300Mあるが、食事できそうな店を探しがてら歩いてみる。
仙台の雑踏を見てきた後だけに、あまりに人影の少ない駅前に正直不安になる。恐らく山形の繁華街は駅から遠いのだと想像するが、これでは食事できる店はあまり期待できそうにない。
果たして子連れで入れそうな店は見たところ皆無、駅ビル内のラーメン屋で夕食にする。後になって気づいたが、駅ビルにファミレスがあるようだ。
まだ20時前だが、駅前広場に通りに歩道橋に、怪しげな風体の若い男がたむろしている。田舎の駅前に夜になると集結してくる「やんきー」な方々なのだが、ずいぶんと数が多い。
今夜の宿は駅から300Mほど歩いたところにあるビジネスホテルで、ツインルームを3人利用で取ってある。部屋に入ってみると、子供料金ながらちゃんとエクストラベッドが入っていて嬉しくなる。これで9600円なら駅から近いし安い。
風呂に入って自宅の妻へ電話する。次女は泣いている。何で泣くのさ、楽しそうにしているのに。聞けば「おかあさんひとりぼっちでかわいそう」だそうである。
長女はすぐに寝息を立てているが次女の寝付きが悪い。脇で体をさすりながら入眠のお手伝い、30分ほどでようやく眠りに落ちる。
ビールを空ける。冷蔵庫に入っている物だが定価で自己申告制、良心的というか性善説的というか。アダルトビデオは無くていいからBSなど入れてもらえると嬉しい。

■2007/06/03(Su) 懲りずにフルスタ宮城

6時に起きて支度する。子供らも起こすが、寝起きはすこぶる不機嫌なのをなだめすかして出発する。ホテル一階がコンビニなので朝食を買って駅へ急ぐ。
仙台空港鉄道
仙台空港鉄道 <仙台空港駅>
今日は仙山線の数駅に下車した後仙台空港鉄道に乗り、またフルスタ宮城で観戦して仙台から新幹線を利用して帰る予定で、休日限定の南東北乗り放題のきっぷがあったはずなので窓口へ申し出ると、新幹線は乗れないそうな。仕方がないので仙台経由東京までの乗車券を買ってホームへ急ぐ。
階段の途中で発車ベルが鳴り出し、次女を抱っこして階段を駆け降りぎりぎりセーフ。こんなことをやっているとそのうち怪我をするといつも思う。

面白山高原で下車し、折り返して楯山でも下車、また折り返して仙台行きに乗る。仙山線にはもう何年も列車が停まっていない駅が二つもある。そのうちの一つ、八ツ森駅を通過する。近くには小さいながらも滝が見え、降りてみたいと思わせる。そう簡単には叶わない思いではある。
この春開業した東北福祉大前駅・太子堂駅で下車、名取からはこれまたこの春開業の仙台空港鉄道線に乗る。大きなショッピングセンターが目の前にある駅や未だ造成中の土地しかない駅を経て仙台空港へ着く。飛行機に乗るわけではないのですぐに折り返す。
フルスタ宮城バックネット方向
定点観測的アングル <フルスタ宮城>
仙台に戻り、駅弁を買ってシャトルバスでフルスタ宮城へ向かう。今日は曇り空、やや肌寒い。
今日も指定を取ってあるけれど、応援の熱気が恋しくなったので外野自由席に座る。買った弁当を平らげ、改めて球場を見回す。広島の新球場の完成が心から待ち遠しい。
戦況を・・・
戦況を見守る
昨日も今日も、長女にはカープファン倶楽部からもらったメッシュジャージ、次女には新潟出身・今井投手のレプリカユニ、そして私は元投手・小林幹英ユニという装いでの観戦、長女はとにかく次女にはどう考えても大きすぎで、ワンピースを着ているかのようになっている。
ゲームはカープ黒田・楽天松崎先発、黒田は圧巻の4安打完封。ようやく連敗脱出成り、私はフルスタ宮城初勝利だ。ばんざーい!!

予想より早い時間にゲームが終わり、携帯で新幹線の空きを見てみたが、乗れそうな時間は既に満席、予約してある列車に乗ることにし、仙台駅まで歩く。1.7キロほどあるが結構歩く人が多く驚く。

■雑感というか愚痴

今日は私だけ普通のきっぷで、娘達は「土日きっぷ」というきっぷを利用する。このきっぷは土日に南東北以西のJR東日本が乗り放題となるきっぷで、4回までなら指定席が利用可能となっている。予約してある指定席を受け取ろうとして、この「土日きっぷ」を機械に挿入したが拒否される。発車時間まで間がないので係員に言ったところ、「土日きっぷ」での指定券受け取りは窓口しかできないの由。その窓口は長蛇の列を成しており、とても間に合いそうにないので、そのまま自腹で機械で受け取る。釈然としないが、きっぷの説明書には「みどりの窓口で」と書いてあるので、あくまで「窓口」でないと受け取れないと言うことなのだろう。説明不足な気もするが非はこちらにありそうだ。
急いで新幹線改札へ。改札機にきっぷを通すと私だけ何故かはじかれた。係員が改札機の中を調べだしたので「時間ないんだけど」と言うと、きっぷの内容を確認してすぐ通してくれた。言わなかったら原因究明を優先してやっていそうでちょっと違和感がある。最初に券面を見てOKならさっさと通すべきではないかと思うのだが。
新幹線「はやて」号は既に入線しており、さっさと乗り込む。あらかた座席が埋まっているのはさすが。「はやて」は乗車率がとても良い印象が強い。その反面仙台止まりの「やまびこ」はあまり良くないようで、事前に予約した場合に限り仙台止まりの「やまびこ」が最大3割引になる企画きっぷが売り出されている。
3人で旅行するとき、新幹線は3列席があるので助かる。今回も次女が窓側、長女が真ん中で私が通路側と座る。しばらくして二人とも寝息を立て始めた。早起きに野球観戦なので疲れるか。今回は父の道楽につきあわせている感が強く、やや反省する。
1時間半で東京に着き、自宅には19時過ぎに到着、次女は妻を見るなり飛びついていった。

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