北海道再訪&近鉄 1999.4.30〜5.5 行程はこちら

連休は、日帰りで小海線へ行く予定だった。
そんなある日、妻が一言「連休、ずっと出掛けていいよ。」
願ってもないチャンス!
しかし、交換条件があり、夏に妻が妹か友人と海外へ行くのだが、その間娘の面倒を見るというものだ。お安いご用! という訳で、5泊5日の北海道&近鉄の旅が始まった。

4/30
西馬込を23:12に出発。アルプスに乗る時の定番列車だ。車内は酔っ払いが多い。
五反田から山手線で新宿へ。結構混んでいる。今日は休みの会社が多いと思っていたが、そうでもないようだ。
新宿からは急行アルプス。今日は連休前日ということもあり、アルプスの臨時便が出ている。となりのホームに、信濃森上行のアルプス85号が停まっている。165系電車なので、写真を撮る「鉄」が多い。
指定を取ってあるので自分の席に座る。何故か、「ここが空いてる!」と言いながら指定席に腰掛ける人がいる。年配の人だが、いい齢こいて、人のものと自分のものの区別ができないらしい。困ったもんだ。
明日は松本でちくまに乗り継ぐので、4時起きだ。

5/1
目が覚めると茅野に停車中だった。大月までと甲府はぼんやり覚えているので、あまり眠っていない。
松本でちくまに乗り換える。アルプスもきれいな車輌を使ってはいるが、しょせんは183系。新車である383系ちくまの居住性には遠く及ばない。
ガラガラの指定席に座る。意外なほど乗車率が悪いが、松本駅ホームにたくさん人がいたので、松本まではかなり乗っていたと思われる。
聖高原で空が白んできた。まだ5時前だというのに、日が長くなったものだ。
篠ノ井で下車。寒い。そういえば、羽織るものを持ってきていない。長岡で買おう。
後続の列車で今井に降りる。長野五輪会場の最寄り駅だった所だ。あたりにりんごの花が咲いている。長野へ来たと実感する。
長野で直江津行に乗り換える。そば屋がやっていたので、天そばを食べる。店員が若い人だ。珍しい。
今日は天気がいいので、山がとてもきれいに見える。信濃追分あたりに感じが以ている。
二本木に停車。実に数少なくなったスイッチバックが健在。日本曹達の引き込み線もあり、鉄道好きとしてはたまらない駅だ。
高校生で混んできた。そういえば、今日は第一土曜日、学校は休みではない。
南高田で下車。2〜3種類の制服の高校生が降りる駅で、狭い駅前はごった返している。
ひと駅戻って脇野田にも下車。幹線系では珍しくなった、ホームヘ行くのに踏切がある駅で、階段の上り下りをほとんどせずに列車に乗れるのが快感だ。
さらに戻って北新井にも下車。田んぼの代かきがあちこちで行われている。新潟に住んでいた頃は毎春見ていた作業だが、久しぶりに見ると妙に新鮮に映る。
次は春日山に下車する。上越市役所の最寄り駅だが、鄙びた雰囲気だ。駅員が気さくな人で、パンフレットをくれた。
直江津で長岡行を待つ間、ダメもとで駅前にパーカーを買いに出てみたが、全くそれらしい店はない。やはり、長岡で買うことになりそうだ。
やってきた長岡行は快速だが115系。座れないと思っていたが、海側のボックス席に座れた。これまた意外。
海岸線をボーッと見ながら時間は過ぎ、長岡着。新幹線乗り換え猶予時間は15分。羽織るものを探しに駅ビルを巡ってみたが、すでに夏物オンリー。
すっぱり諦め、Tシャツ重ね着&カイロでしのぐことにした。寒いだろうなー、北海道は。
経験上、上越新幹線の下りは長岡でゴッソリ降りることを知っているので並ばずに待っていたが、やはり結構な人数が下車、余裕で座れた。問題は次のいなほなのだが、臨時の85号なので、大丈夫だろう。
新潟に定刻着。いなほ85号の小汚い禁煙自由席の海側を確保。発車間際になって車販が乗らないことを知らされる。最低。
細動とコンプレッサーの作動音でひどい乗り心地だ。しかも佐々木で5分も停車。いくら何でも、人をバカにしてない?>JRE。
あつみ温泉で下車。浅虫温泉に感じがよく似ている。
今回は残念ながら温泉には入らず、すぐ接続の酒田行に乗る。
半分居眠り状態で、鶴岡から高校生が乗ってきて目が覚める。
砂越で下車。ホームにブロンズ像がある。いなほ車内で昼メシを食いっぱぐれたので、駅前の雑貨屋でパンを買って食べる。
酒田から吹浦止まりの列車に乗り、遊佐で下車。鳥海山が目の前にせまる。

南鳥海駅から鳥海山を望む
一駅戻って南鳥海も下車。駅名はいいが、登山道があるわけでもなく、少し名前負けしている。ただ、この駅から見る鳥海山はすばらしい。
またも意識が飛びながら羽後岩谷へ。アルプスで寝不足なのがたたっているようだ。
羽後岩谷は駅舎改築中。農村らしい駅前だ。古い倉庫がある。
ひと駅戻って、羽後本荘から由利高原鉄道に乗る。もう17時を回っているのに暗くない。おかげでまだ活動できる。
17:17発矢島行は、学生9割一般1割という極端な旅客構成。それにしても、マナーが悪い。立ち客がいても平気で3人分を占拠している15才くらいの男の子がいる。地方へ行くほどこういったマナーは守られていない気がする。
やたら傷みの激しい駅舎が続く。経営は苦しいのだろう。

矢島駅舎
終点矢島は、ひっかきレンガのような装飾を腰に巻いた、なかなか見ごたえのある駅舎。このままでいてほしい。
折り返して本荘に着く頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。すぐ接続の快速に乗り込む。
途中、新屋に下車。暗いので様子がはっきりとはつかめないが、わりあい店があり、ひらけているようだ。
近くのスーパーで、安くなっている弁当を買って駅で食べる。秋田でうどんにありつける確率は、そう高くないためだ。
その秋田。列車が停まった目の前で、うどん屋さんが湯気を上げている!
天ぷらうどんを貪り食う。うまい。
青森まで特急白鳥自由席に乗る。JR西日本受け持ちになったのはいつからだったか、車輌のレベルは昼間のいなほよりさらに落ちる。「白鳥」に特別な思いのある私としては、専用編成ビュフェ付12輌くらいを希望したい。
今も昔も、日本海縦貫線のフラッグシップなのだから、もちっと気合入れてよ>JRW。
青森ではまなすに乗り換え。ドラえもんのステッカーだらけの車輌で、簡易リクライニング。ドリームカーはどこ行っちゃったんだよ! もう、寝る。

5/2
前夜の寝不足のおかげで、はまなすの夜は比較的快眠。4時なのに明るい車窓に驚く。かなり東へ来ている。 千歳で下車。後発の各停で、島松へ向かう。

島松駅
島松は、レンガ煙突が印象的だ。道東はこういう駅が多い気がする。
ここには硬券入場券がある。今回北海道へ来たのも、久々に硬券を入手したくなったためなのだ。
ひと駅戻り恵み野。牛小屋と白木屋が駅から近くにあるところも珍しい。
さらに戻って恵庭。「市」だけあり、駅前も整っている。歩道も広々としていて羨ましい。
新広島に下車。かなり都会の駅といった印象。開拓時代を想像するのは難しい。
上野幌にも下車。北海道出の会社の同期から聞いた話どおり、起伏のある土地に駅とわずかな人家しかない。ふきのとうがたくさん出ている。やはりここでは今から春なのだ。
平和に下車。札幌貨物ターミナルの片すみにある駅で、ホームは板貼り、駅舎はそのホーム上にある。上野原と似た構造だ。
札幌で乗り換え時間を利用して朝食を摂る。といっても、そばだが。とりそばを食べ、小樽行に乗る。うまかった。
乗った列車は731系電車。なぜロングシート車が今になって必要なのか解らない。
発寒中央で下車。郊外の新設駅はどこも同じ雰囲気だ。地下鉄発寒南・宮の沢が比較的近いようだ。
発寒にも降りたが、JRバスのターミナルがある以外、発寒中央と大差なく感じる。
小樽行は混んでいた。中学生のバカさ加減に閉口。バカだけならまだいいが、人の迷惑を省みないその傲慢さにうんざりだ。手と声が出かけた。
張碓付近で、海の向こうに雪をかぶった山なみが見えた。大雪山系だろうか。
小樽で倶知安行に乗り換える。山の麓を、地形に逆らわず蛇行して走っていく。
仁木で下車。交換設備が撤去されたことがひと目でわかる線形をしている。無人駅だが、仁木町の中心ということもあり、乗り降りは多い。
塩谷へ戻る。途中、高校生が整理券を2度取りして見つかりかけていた。そうまでして300円ぽっちのお金を浮かせたいかなー。
塩谷はまわりより一段高いところにある駅で、見はらしがよい。断層のような所があるので行ってみたが、地学がすっかり消えた私の頭では、さっぱりわからない。
天気がいいので、ホームに座りこんで列車を待つ。のどかだ。陳腐な言い方をすれば、東京とは違う時間が流れているようだ。
余市へ向かう。山線では数少ない駅員配置駅で、レンタカーやレンタサイクルもある。言わずと知れたウイスキーの町で、観光客も多い。
戻って蘭島に下車。近くにローソンを見つけ、時間もよいので昼飯にする。駅舎の中は異臭がするので、ひなたぼっこを兼ねてホームにへたり込んで食べる。

然別を出るキハ40
然別へ向かう。銀山でもいいのだが、名前で選ぶとこっちになる。
人気のあまりない、静かなところだ。廃屋などもあって少し不気味だが、今は亡き深名線沿線を思い出す。
1時間20分後の小樽行に乗る。余市でかなり乗り込み、立ち客が多くなる。
小樽には15:01着のはずだが、着いたとなりのホームに15:00発の快速エアポートが停まっている。乗り込んだらすぐ発車したので幸運だった。
南小樽に下車。手宮線が分岐していた由緒ある駅だが、今はホーム一面だけ、しかもかなり低いので、お年寄りは乗り降りに難儀している。
小樽築港はSATYが最近できたらしく、「石原プロワールド」の文字が見える。テーマパーク併設のようだ。
さっきの幸運のおかげで銭函に下車できた。4年ぶりに降りたが、自動改札になったことくらいしか変化が判らない。
ほしみに下車。4年前通った時は開業ホヤホヤだったが、駅前はまだまだ開業直後の雰囲気だ。思ったより人が集まっていないようだ。せっかく始発列車があるのに・・・ もったいない。
稲穂に下車。手稲の車輌基地に隣接しているため、鉄道ファン好みの駅だ。
ひと駅戻って星置。スタンプがある。最近設置された駅には珍しい。印面によると、近くに「星置の滝」という滝があるようだ。
稲積公園に下車。高架の、何てことのない駅だが、硬券があった。嬉しい。宝物を掘り当てた気分だ。
札幌で江別行に乗り換えるのだが、予定より15分も後の列車を放送で案内している。運休かと思ったが、向かいのホームに停まっていたので一安心。
厚別で下車。札幌から10分ほどだが、閑静な住宅といった感じだ。
次の森林公園も下車。「開拓の村」最寄り駅らしいが、そもそもそれが何なのか良く知らない。新興住宅地のようで、団地が多い。鎌取に少し似ている気がする。
大麻−野幌間で、大量に雪を集めてある空地を見かけた。雪捨て場なのか、はたまた何かやろうというのか・・・。
高砂で下車。既婚の私にはあまり御利益がなさそうだが、縁起のいい駅名だ。駅そのものは無人駅だが。
江別で下車。駅前から放射状に道がある。運転しづらそうだ。
豊幌にも行っておく。妙な形の電話ボックスがある。遠目では何だか判らない。駅前に国道があり、みんなかなり飛ばしてゆく。
戻って野幌に下車。コンビニと一体の駅舎だ。あたりになぜかラーメン屋が目につく。
夕鉄ホーム跡が残る。頭の中では、キハ22改がこのホームから発車してゆく情景が浮かぶ。
大麻にも下車。駅前がやたら広い。
JRバスの新札幌行が5分後に出るので、こいつを使ってみようと思う。
駅前を出たバスは、大麻16丁目、15丁目、14丁目と冗談のような名前のバス停を通る。北海道らしい。
大麻駅南口というバス停を通る。乗った駅の裏口だ。表口で乗り遅れても安心だ。
途中15分ほど行ったところに、「森林公園温泉」を発見! 最寄りのバス停は小野幌会館前、車内で案内も入る。新札幌駅から近そうだ。
結局、20分弱で新札幌着。ちょっとだけショートカットしたようだ。温泉も見つけたし、¥220の投資効果は出ている。
地下鉄東西線に乗り込み、宮の沢を目指す。ここの未端区間が延長開業したのは今年の2月。3ヶ月弱の間、北海道完乗タイトル(?)を返上(??)していた。
7両中、一両だけ妙に新しい。延長時に増結したのだろう。
折り返して大通のりかえで札幌へ。今夜の宿もはまなす、ただし今度はB寝台。ビールを買い込み、車窓を眺めながら飲む。苫小牧あたりで急激に眠くなり、崩れるように・・・入眠。

5/3

昨晩の宿、はまなす

長躯大阪まで行く白鳥はボンネット
目が覚めると5時。熟睡だった。
歯を磨き、顔を洗っていると青森着、今日は薄曇りだ。
白鳥はすでに入線していた。ボンネットだ。弁当を買い、乗り込む。
鶴ヶ坂−大釈迦間で、湿地帯に水バショウのような花をちらほら見かけた。岩木山がとても良く見える。上の方はまだまだ雪が多い。
弘前で五能線列車へ乗り換える。白鳥に乗らなくとも、各停だけで乗り継げるのだが、はまなすとの乗継割引で買ってあったため特急利用。結構弘前までの利用があったのに驚いた。
りんごの木がたくさんある。おとといの長野では花盛りだったが、こっちは全く咲いていない。
五所川原で津軽鉄道に乗り換える。雑多な車輌が留置してあるが、これから乗る津軽中里行は新しい車輌でつまらない。
金木に留置してあるキハ24021、国鉄時代を思い出せない。見た目はキハ20、窓は22に似ているが2重ではないようだ。キハ20の寒地向けはキハ21だと思ったが・・・ キハ20系で、キハ24なんて、あったかな? 45系にはあったような・・・。
芦野公園は桜のトンネルだ。散る時期なので、花びらがまるで雪のようだ。
終点、中里まで行き、すぐの列車で折り返す。入場券を買い忘れた。悔しい。
五所川原の駅は弘前へ遊びに行くのだろうか、学生で混雑していた。弘前行の列車はキハ40主体の4両編成で、旅客スペースが狭く、やむなく助手席に陣取る。
弘前から秋田行に乗り換え、鷹ノ巣へ。日差しが弱く、はっきりしない天気だ。
鷹ノ巣で秋田内陸線に乗り換えるが、待ち時間が1時間半もある。近くの喫茶店で昼食にする。まともな食事は、今旅行初だ。
阿仁前田まで行く。乗った列車は車掌がいる。三セクの昼の列車で、ツーマンは珍しい。

阿仁前田駅は温泉併設
阿仁前田は、高畠やほっとゆだと同じ「温泉駅」だ。中は広く、大広間などもある。2日ぶりの風呂となるので、体中くまなく洗ってゆっくり浸かる。しあわせー・・・。
14:40発の急行もりよしで角館へ向かう。2両つないでいるが、どちらも喫煙可。なぜ?
雨がぱらついている。あすあたりから天気が崩れるという予報だったので、少し早く降りだしたことになる。
角館に15:58着。雨が降っているのであまり出歩かないが、駅前を観光地然としすぎた気がする。駅前のフォルクローロ角館は盛況のようだ。
30分後のこまちで秋田へ向かう。東京行のこまちがかなり混雑していたので、多少覚悟はしていたが、やはり座れない。
大曲で進行方向が変わる。けっこう下車し、何とか座れた。
大曲−秋田間は、狭軌と標準軌が重なっている区間のため、各駅とも配線が複雑だ。ダイヤ設定も大変だろう。
秋田からの羽越線列車は快速こよし。701系の持てる力を出し切って走っているかのような音、スピード、揺れ。この車輌、走り装置は評価できる。
仁賀保で下車。TDKの城下町だ。特急停車駅、上野直通寝台さえもが停まる駅だが、券売機もない。窓口の営業も終わっている。TDKのおかげで特急が停まっているのか?
後続のいなほ16号に乗る。室内はやはりヘボい。よくよく考えると、以下のような勘ぐりは、案外当たっているかもしれない。


今の「いなほ」は上越新幹<>酒田連絡が主な使命→山形新幹線新庄延伸→新庄<>酒田に連絡快速(指定席有)がキハ110系で設定、陸羽西線はキハ110系化→「いなほ」の存在価値、70%OFF→秋田発着2往復、村上発着3往復に減便、青森発着は「かもしか」に統合→だから「いなほ」は改善する気なーし!
・・・どうだろうか。
それにしても、検札も車販も回ってこない。どうなってんの?
酒田を過ぎてようやく車販が来た。秋田−酒田は乗らないのかもしれない。
買った弁当が新津の「こしひかりデラックス」。幕の内なのだがこれが当たりで、必要十分なごはんにはゴマも梅もなし、味が濃い目のおかずが10種前後というシンプルさ。下手に凝るより、「〜を食べてほしいッ!」という意志が感じられるものの方が成功している気がする。この弁当はそれが「ごはん」なのだ。
新発田で下車。この地を離れてはや11年、駅も街も変わった。それでも、降り立った時こみ上げるものがあるのは、遺伝子か、15年分の記憶なのか・・・。
21:14発新潟行は、6両と長い編成。向かいのホームに来た酒田行いなほ13号は、はくたか用リニューアル車。あのレベルでないと、現在の特急料金が「妥当な額」とはなかなか思えない。普通列車がグレードアップしてきている昨今、リクライニングがフリーストップでない車輌(簡易リクライニング:通称「ばったんシート」)はかなりマズいと思う。
新崎の駅も懐かしい。かつてここには化学工場のヤードがあり、一両一形式のタンク貨車(タサXXXXX、番号失念)がここ常備だった。通るたび所在を確認したものだが、そのヤードも無くなってしまった。あのタンク車は、まだ現役だろうか。

今夜の宿、きたぐに
新潟からは急行きたぐに。初の583系寝台車体験。一度乗ってみたかったのだ。上段は狭いがなかなか快適。高さがあと10cmあれば、ビールも楽に飲めるのだが。ビールで睡眠突入。

5/4
放送で目が覚めたのは5:50、大津到着前だ。熟睡した。これで料金が¥3,000くらいなら、もっと使うのだが。 新大阪で下車、御堂筋線ホームヘ向かう。やたら遠い。
今日は結構地下鉄を使う気がするので、一日券を買っておく。
御堂筋線は地下鉄だが、このあたりは地上を走っている。外国みたいで少しカッコいい。
本町で中央線に乗り換える。御堂筋線の駅は、どこも天井が高く、解放的で気持ちがいい。それに比べると、他都市の地下鉄はどこも天井がとても低く、圧迫感がある。
中央線はこれがまたホームが遠く、かなり歩かされる。地下鉄の宿命か。
地上へ出てみたが、土地カンが全くないので右も左もわからない。
生駒で下車、ケーブル線の鳥居前駅まで歩く。といっても通路でつながっているのだが。7:30という時間のせいもあり、見える所にある店で、開いてるところは一軒もない。
今日は朝から雨がぱらついているので、少し肌寒い。生駒山上も寒そうだ。
生駒のケーブルは少し変わっており、途中の宝山寺から上と下では全く別のケーブルカーで、下側は国内唯一の複線ケーブルカー、上は普通のものだ。なのに法規上は一つの路線で、日本一の長さということになっている。納得がいかない。
下側のケーブルは前述のとおり複線だが、本数の少ない時間帯は片側しか使わないらしい。

クラシックな車体の生駒ケーブル
乗った車輌がやたらクラシックな車輌で、シル・ヘッダーが付いている。車内の蛍光灯も心持ちアンバーがかかっていて、ホッとする雰囲気。
踏切があるケーブルカーは初めてだ。とても異和感がある。
宝山寺は人気がない。山上行のケーブルには私とカップル一組しか乗っていない。少し、気マズい。
山上もやはり雨。予想どおり、かなり寒い。目の前に遊園地があるが、休みなのか開園前なのか、人っ子一人いない。さっきのカップルも、待合室で寒さをしのいでいるようだ。
折り返し下界へ下り、生駒線で王寺へ。生駒の山脈の麓をゆっくり走る。客の乗降は結構あり、15分前後の間隔で走っているのもうなずける。
王寺から新王寺まで徒歩連絡。雨の中、200mほど歩く。傘を出すのが億劫でそのまま走る。寒い。
田原本線はもっと寂れた路線だと思っていたが、なかなかどうして、ワンマン化されているが客も本数も多い。
西田原本から田原本までも徒歩連絡。とても近いのだが屋根のついた通路などはなく、雨に濡れながら歩く。
橿原線で平端へ向かい、乗り換えて天理へ。
私は基本的に宗教は好きではないが、この街の駅前を見ると捨てたものではないな、という気になる。ゴミ一つ落ちていないのだ。
ここでちょっと寄り道をする。巻向・長柄・柳本に下車。桜井線の駅には、土地柄なのか魅力的な駅名が多い。開業が古い駅も多いので、レンガ積みのホームが残っていたりする。
奈良にも下車。実は奈良に降りるのははじめてで、天井が高く、格調高い装飾の駅舎にしばし見ほれる。やたら威勢のいい駅員の声に興ざめ。売店にタコ焼きカールを見つける。新製品か?
加茂行に乗る。221系はやはり何度乗ってもいい車輌だと思う。
加茂で亀山行に乗り換え、伊賀上野へ。複線電化を望む地元自治体が建てた看板が目立つ。ワンマンDC2両で座席が埋まらないようでは、実現はかなり厳しいと言わざるを得ない。
大河原近くに、沈下橋を歩いている人を見かけた。一度歩いてみたいのだが、機会に恵まれない。
伊賀上野に下車したのは、九州旅行の帰り以来なので、5年半ぶりだ。相変わらず関西鉄道以来の木造駅舎が健在だ。100年くらいは、経ってんじゃないの?

不気味・・・
伊賀線の電車は、忍者の顔の不気味なペイント。発案者のセンスを疑ってしまう。
伊賀線はアンティークな駅が多い。しかもその一駅一駅にちゃんと駅員がいる。
伊賀神戸で上本町方面の急行に乗り継ぐ。かなりの急勾配をものともせず、グイグイ登っていく。
大阪近鉄バファローズの広告が面白い。西武戦の案内なのだが、ボールを傍らに置いたライオンに向かってバットを指す近鉄の選手、コピーは「一発で、しとめたる」。こういうやつを、日ハムあたりがやってくれれば面白いのに。
八木、橿原神宮前で乗り換え、吉野へ。雨が少し強くなる。山が煙っている。
大和下市の街の大きさに驚く。かなり登ってきたはずなのに、これほど開けた街があるとは。秩父に通じるものがある。
吉野は土砂降りで、傘なしはキツい状態。やむなく折り畳み傘を開き、少しぶらつく。
当地名物「柿の葉ずし」がどの売店にも売っている。一番安い500円のやつを買い求める。ついでに食べ方も聞いたが、柿の葉は取って食べるのだと初めて知った。以前天王寺で買って食べた時、柿の葉ごと食べてしまい、「何て不味い寿司なんだ・・・」と思ったものだが。本当の味が楽しみだ。
すぐに出る特急があるので、これに乗り込む。時刻表にはさくらライナーの表記があるが、停まっているのは一般車。ガッカリだ。
指定された席に座り、柿の葉ずしを開く。ぱっと見、めはり寿しのようだが、葉を外すとサバらしい魚がのった押し寿しが現れた。
うまい! 本当はこんなに旨かったのか! 見直した!
尺土で御所線に乗り換える。ワンマンだが、けっこう客が乗っている。JRと比べると、列車も多いし、葛城山という集客要素もあり、勝負は圧倒的大差で近鉄の勝ちだ。施設もきれいだし。
戻って古市へ向かう。準急ばかり見かけると思ったら、急行は吉野行だけのようだ。
朝から近鉄に乗っていて思っていたのだが、車内灯のキセが、下方向に尖っているデザインで統一されている。車輌の色もほぼ統一されており、ポリシーを感じる。西武などは3種もあり、気分屋な感が否めない。
長野線も客が多く、立ち客もいる。だが、富田林から単線で、意外な感じがする。
折り返して道明寺線へ。南大阪線は支線が多い。
柏原はJRとの共同使用で、申し訳なさそうに隅に停まっている近鉄電車の脇を、JRの快速が通過していく。
阿倍野橋に18:56着。今日の予定はこれで終わりだが、せっかくフリーパスがあるので鶴橋−西大寺−八木−鶴橋と回ることにした。
地下鉄で谷町九丁目へ行き、上本町まで歩く。大阪市営地下鉄は、駅名に含まれる漢数字を、よみがな表示ではアラビア数字に置き換えている。何故だろう?
上本町地下ホームから奈良行快急に乗る。LCカーだ。
ここで重大な事に気が付いた。妻への土産を買っていない。頼まれたのはタコ焼き味の柿の種。売店を探し回ったが見つからず、やむなく別の物で納得してもらうことにした。
一回りして鶴橋から千日前線で南巽へ。地下鉄は昼乗っても夜乗っても変わらないので行っておく。
南巽で近くのコンビニに入り、土産を宅急便で送っておく。店員さんが関西弁だ。当たり前か。
心斎橋のカプセルへ転がり込む。体が重い。

5/5
朝5時に起きる。昨晩もそうだったが、心斎橋は渋谷のようだ。若い人ばかりがたむろっている。今日も早朝なのに昼間のように人がいる。当然のように地下鉄は、朝帰りの人たちで混んでいる。
梅田(東梅田)経由で谷町九丁目へ向かう。大阪の自動改札はよくできており、心斎橋−梅田・・東梅田−谷町九丁目といった不自然なルートの場合、往復分を請求される。
上本町6:10発の賢島行特急に、サンドイッチとおにぎりの朝食を買って乗り込む。ACE車だ。

近鉄特急
名張−伊賀神戸間は、大阪線と並走しているため廃止された、伊賀線の未端区間の跡を眺めることができる。
腹もくちて、眠くなってきたので昼寝。まだ7時台なので、2度寝かな。
目が覚めると鳥羽に停車中。いい所で気がついた。志摩線の景色を堪能できる。
賢島は南国の雰囲気だ。名張あたりでぱらついていた雨も上がり、晴れ渡っている。志摩スペイン村へ行くバスが、家族連れを乗せて出てゆく。
私は、というと、9:10発の特急で白子へ向かう。
鳥羽付近で、道路の行先表示に「相差」と書いてあるのを見かけた。読み仮名もふってあり、『おさつ』。絶対、読めん。
伊勢中川までは今来た道を引き返す。伊勢市で見慣れないDCを発見。キハ11がステンレス化されたような車だ。車番を見ると、キハ11 3XXなので、300番台としてステン化されたキハ11を造ったのだろう。
白子で急行に乗り換え、伊勢若松へ。のどかな駅だ。ネコが日なたぼっこをしている。
ホームの下を川が流れており、まるで橋のようにアーチ状にホームを造ってある。
鈴鹿線で平田町へ。途中、伊勢鉄道がオーバークロスし、交差地点近くに駅もあるが、近鉄は知らん顔。まあ、連絡しても無意味なのかも知れないが。
平田町駅前に、四日市行の三重交通バスが停まっている。案内を見ると、内部駅前を通るようだ。予定変更、バスに乗り込む。
途中、国道一号線を経由する。キロポストは408Km、今からこの道の400Km彼方に帰ると思うと、感慨深い。

内部線電車
近鉄内部・八王子・北勢線は、非常に貴重な存在となった762mmナローゲージだ。私はナローに乗るのは初めてで、その小さな電車の姿に感動する。
やはり、すべてが小さい。電車は高さ180cmくらい、中間車のサハは自重が10tを切っている。ロングシートは向かいの人と膝が触れ合いそうだ。
晴れ渡っているが暑くもなく寒くもなく、絶好の旅行日和。こんな日には窓の開くナローは最高だ。

日永駅の構内
日永で八王子線へ乗り換え。まるで鉄道模型の駅だ。
西日野は、かつてこの先に路線が延びていたのが信じられないたたずまいだ。駅は移設されているのだが。
戻って日永に下車。さっき気に入り、平田町−内部のショートカットで時間にゆとりが生まれたので降りてみた。
四日市は、内部・八王子線と他路線では別会社のようだ。軌間が倍近く違うからなー。
湯の山線に乗る。観光路線というより、四日市の郊外路線のようだ。ほとんどの駅に交換設備がある。
湯の山温泉はやたら閑散としていた。13時半、こんな時間では、やむをえないか。
名古屋へ向かう。四日市ですぐ連絡の特急があるので飛び乗る。混んでいる。
桑名で、北勢線と揖斐線を眺める。今回は時間の都合で乗れないが、どちらも魅力的な路線だ。近いうちに訪れたい。
近鉄名古屋の駅は3度目だが、今だに構造がよく解らない。しかもJR駅まで遠い。駅ビルが完成していないので、よけいに遠く感じる。
売店で「八丁味噌プリッツ」を発見。たしか新製品だ。土産に買う。
新幹線ホームできしめんを食べる。今回、関西ダシのうどんを一度も食べていないことに気付き、ショック。
連休最終日の15時台上り、予想通り混んでいる。ひかりの自由席ドア位置は当然のように長蛇の列。こだまでさえ、普通車はおろか、グリーンまで席が埋まっている。恐ろしい。ちなみに私は、ひかり322号の禁煙指定を確保してあるので関係ないが。
名古屋を2分遅れの15:27に発車。発車間際に、28分発の次発ひかりの指定券を持った客が間違えて乗ってしまい、急いで降りようとしたが無情にも列車は発車、哀れこの人は東京まで立ち通し決定となってしまった。
東海道新幹線は、新幹線では一番景色がいい。トンネルが少ないのと、浜名湖や大井川、富士山などの見どころが多いのがよい。上越ではこうはいかない。
東京には定刻の17:17着。新橋乗り換えの浅草線で家路につく。


行程 先頭へ

4/30
西馬込2312-<浅草>-2319五反田2325-<山手外>-2339新宿2350-<401M E:アルプス>-

5/1
-410松本419-<4801M E:ちくま>-506篠ノ井536-<1611M>-539今井612-<1613M>-621長野636-<341M>-754南高田802-<1324M>-805脇野田830-<1326M>-833北新井847-<1333M>-906春日山922-<1335M>-927直江津946-<8391M R>-1047長岡1102-<401C LEs:あさひ401>-1127新潟1137-<8085M LE:いなほ85>-1317あつみ温泉1329-<8231D/231D>-1424砂越1441-<157D>-1450酒田1455-<237M>-1508遊佐1525-<238M>-1529南鳥海1544-<551M>-1647羽後岩谷1704-<548M>-1710羽後本荘1717-<17D>-1758矢島1815-<22D>-1856羽後本荘1905-<3555M R:こよし7>-1942荒屋2002-<1557M>-2010秋田2032-<5011M LE:白鳥>-2259青森2308-<201 E:はまなす>-

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-542千歳609-<1721M>-621島松630-<722M>-633恵み野646-<726M>-649恵庭659-<2725M>-712新広島724-<727M>-731上野幌742-<1729M>-749平和758-<731M>-810札幌818-<132M>-826発寒中央838-<2733M>-841発寒853-<1737M>-929小樽936-<1934D>-1004仁木1015-<1931D>-1039塩谷1110-<1936D>-1127余市1151-<2933D>-1159蘭島1244-<3940D>-1304然別1422-<2937D>-1459(1501)小樽1500-<>-1503南小樽1512-<3249M R:いしかりライナー>-銭函-<253M>-1550ほしみ1612-<1794M>-1617稲穂1625-<248M>-1627星置1638-<1798M>-1646稲積公園1705-<1820M>-1719札幌1723-<3263M>-1736厚別1754-<267M>-1757森林公園-<3269M>-1822高砂1839-<1273M>-1842江別1852-<3275M>-1858豊幌1911-<3292M R:いしかりライナー>-1921野幌1934-<1296M>-大麻1950=<JRB>=2008新札幌・・新さっぽろ2016-<東西>-2050宮の沢2103-<東西>-2118大通2124-<東豊>-2126札幌2156-<202 E:はまなす>-

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-518青森611-<5112M LE:白鳥>-641弘前647-<824D>-732五所川原735-<1>-814津軽中里819-<6>-857五所川原928-<827D>-1012弘前1015-<1646M>-1123鷹ノ巣1256-<15D>-1339阿仁前田1440-<1003D E:もりよし3>-1558角館1628-<3015M LE:こまち15>-1716秋田1725-<3550M R:こよし4>-仁賀保1829-<2016M LE:いなほ16>-新発田2114-<M>-2149新潟2219-<501M E:きたぐに>-

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-641新大阪649-<御堂筋>-659本町711-<3606>-738生駒・・鳥居前750-<>-宝山寺809-<820>-816生駒山上839-<823>-846宝山寺850-<847>-855鳥居前・・生駒905-<981>-929王寺・・新王寺935-<972>-954西田原本・・田原本958-<984>-1007平端1012-<995>-1018天理1025-<537S>-1034巻向1042-<538T>-1047長柄1057-<539T>-1100柳本1111-<540S>-1133奈良1148-<3354K>-1201加茂1209-<246D>-1241伊賀上野1250-<1281>-1257上野市1300-<1371>-1329伊賀神戸1330-<1220 E>-1414大和八木1420-<4361>-1425橿原神宮前1430-<4323>-1522吉野1535-<4508 LE>-1622尺土1626-<163>-1634近鉄御所1639-<164>-1648尺土1653-<1632 SE>-1711古市1725-<1711>-1742河内長野1747-<1716 SE>-1810道明寺1819-<183>-1823柏原1826-<182>-1830道明寺1840-<1812 SE>-1859大阪阿部野橋・・天王寺1906-<谷町>-1909谷町九丁目・・上本町1917-<4935 RE>-1942大和西大寺1955-<1961 E>-2017大和八木2024-<168 LE>-2051鶴橋2103-<千日前>-2112南巽2124-<千日前>-なんば-<御堂筋>-心斎橋〜[CH]

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心斎橋523-<御堂筋>-529梅田・・東梅田538-<谷町>-549谷町九丁目・・上本町610-<6603 LE>-841賢島910-<6914 LE>-1037白子1041-<1034 E>-1044伊勢若松1103-<1171>-1115平田町1125=<三交バス>=1147内部1205-<>-1215日永1218-<>-1220西日野1230-<>-日永1247-<>-近鉄四日市1306-<>-湯の山温泉1339-<>-近鉄四日市1407-<LE>-近鉄名古屋・・名古屋1525-<322A LEs:ひかり322>-1717東京1732-<山>-新橋1739-西馬込